スマホの低速通信はどこまで使える? 1Mbps/300kbps/200kbpsで検証してみた:スマホ料金プランの選び方(1/2 ページ)
どのキャリアも契約したデータ容量を使い切ると速度制限がかかりますが、制限時の最大速度はキャリアやプランによって異なります。この低速通信をうまく活用すれば、料金やデータ容量を大きく節約することも可能です。動画視聴やLINE通話などを試してみました。
格安SIMを選ぶ際、料金以外に重要なポイントとなるのが低速時の最大速度です。どのキャリアも契約したデータ容量を使い切ると速度制限がかかりますが、制限時の最大速度はキャリアやプランによって異なります。この低速通信をうまく活用すれば、料金やデータ容量を大きく節約することも可能です。今回は低速状態で何ができるのか、実際に検証しました。
各キャリアの最大速度
まず、主要な格安SIMキャリア(オンライン専用プラン/サブブランド/MVNO)の低速通信の仕様を確認しておきましょう。以前は最大128kbpsや200kbpsが主流でしたが、現在は小容量プランなら最大300kbps、月20GB前後の中容量プランなら最大1Mbpsのキャリアが多いです。ただし、その分低速通信に容量制限を設け、低速状態で一定容量以上使うと速度がさらに制限されるプランも増えてきました。
また、バースト転送に対応しているキャリアもあります。バースト転送とは、低速時でも通信処理の開始から一定容量は高速で通信する機能です。同じ低速でもバースト転送に対応していればコンテンツのレイアウトやテキストの表示の初速が速いため、いくぶん快適に使えます。
バースト転送への対応可否は非公表のキャリアも多いのですが、主要な格安SIMではIIJmioやmineoが対応しています。低速通信をたくさん使う人はバースト転送のあるキャリアを選んでもよいかもしれません。
検証の方法
今回は最大1Mbps/300kbps/200kbpsの3つの速度を、以下の方法で検証しました。
ahamoは容量超過後の速度制限、UQ mobileとOCN モバイル ONEは節約モードオンで低速状態にした。ただしOCN モバイル ONEはMUSICカウントフリーがあるため、音楽ストリーミングの検証時はmineo(A)に変更しました
なお、本記事では1Mbps/300kbps/200kbpsと記載している場合がありますが、これらはあくまで最大速度であり、時間帯や環境によってはそれ以下になる場合もあります。また、今回筆者が検証した内容も、使用端末や環境などによって結果は異なるので注意してください。
YouTube視聴:1Mbpsで480pなら快適に視聴できる
まず、最も気になるのがYouTubeなどの動画視聴でしょう。動画視聴はデータ容量を大きく消費しますが、低速状態で視聴できれば大きな容量節約になります。今回はYouTubeの動画再生中の画面左上の設定メニューから画質を指定した上で、最後まで止まらずに快適に視聴できるか検証しました。
最大1Mbpsの場合、480pまでなら止まらずに快適に視聴できました。480pはスマホで視聴する分には問題のない画質なので、1MbpsでもYouTubeは快適に使えるでしょう。720pにすると1分に1回くらい止まり、20秒ほど画面がクルクルしてから再開する、といった感じでした。720pでの再生は難しいでしょう。
最大300kbpsと200kbpsはほとんど同じ結果でした。240pなら止まらずに視聴できますが、360pだと時折止まってしまいます。ただ、360pでも止まる頻度は少なかったので、場合によっては360pでも最後まで視聴できるかもしれません。360pと240pでは画質に大きな差を感じたので、自分ならまず360p画質でチャレンジしてみて、だめなら240pに下げると思います。
X(旧Twitter):1Mbpsならほぼ快適に利用できる
続いて、X(旧Twitter)で検証しました。
最大1Mbpsの場合、Xはほぼ快適でした。アプリ起動時やアカウント/タブの切り替え直後には画像が少し遅れて表示されましたが、その後は高速でスクロールしない限りほとんど遅延はありません。投稿された動画もすぐに再生が開始し、最後まで止まらずに視聴できました。
最大300kbpsと200kbpsの場合、文字はすぐに表示されるものの、画像は遅れました。特に複数枚の画像がまとめて投稿されたポストの場合、3~4枚目の画像の表示が顕著に遅れます。また、動画は再生が開始するまでやや時間がかかりました。300kbpsなら再生が開始すれば止まりませんでしたが、200kbpsは途中で止まることがありました。
最大300kbpsや200kbpsでも快適と感じるかは、タイムライン上にどれだけ画像や動画を含むポストがあるかによるでしょう。筆者のタイムラインは比較的文字だけのポストも多いのであまりストレスを感じませんでしたが、画像/動画が多い人はつらいかもしれません。設定メニューから高画質での画像や動画の表示をオフにするなども検討しましょう
Instagram:画像や動画の表示がメインなので、1Mbpsでもつらい
続いてはInstagramです。画像や動画が主体のSNSなので、Xよりも影響が大きかったです。
1Mbpsの場合、タイムラインの画像や動画はすぐに表示されるので一見快適に見えます。ただし、複数の画像を含む投稿の場合、横スワイプして2枚目以降を表示させようとするとクルクル回ってなかなか表示されませんでした。一方、画像に比べて動画は思ったより影響が少なく、タイムラインの動画もリールもほとんど止まらずに再生できました。
300kbpsと200kbpsはタイムラインの画像表示もかなり遅れました。300kbps以下ではInstagramを使うのは難しいかもしれません。ただ、動画は読み込みに5秒前後かかるものの、再生が開始したら止まらずに視聴できました。また、なぜかリールはほぼ止まらずにサクサク再生できました。画像よりも動画の方が快適に視聴できるかもしれません。
関連記事
低速でも「最大1Mbps」で使えるプランは? サブブランド、オンライン専用、MVNOで比較
毎月のデータ容量を使い切った後、大手キャリアの7GBまでのプランでは128kbpsの低速になり、大手キャリアのサブブランドやMVNOでは200kbpsや300kbpsの速度になってしまう。だが、この低速の設定も1Mbpsであれば、メールやLINEなどのテキストのやりとりは問題なし。そこでサブブランド、オンライン専用プラン、MVNOの中で、データ容量超過後に最大1Mbpsで利用できるプランをピックアップした。月990円で“低速使い放題” mineoの「マイそく」はどこまで実用的か
mineoの新プラン「マイそく」は、速度で選ぶ使い放題型の料金プランだ。リーズナブルな料金でどれだけ使えるのか、実力を検証した日本通信の“安すぎる”「合理的30GBプラン」を徹底検証 通信速度や注意点は?
日本通信が11月27日に合理的30GBプランを提供開始しました。合理的20GBプランから料金そのままで使える容量が増え、格安SIMでもトップクラスに安いプランです。今回は合理的30GBプランを中心に、日本通信の料金プラン、通信速度や注意点について解説します。YouTubeの視聴にオススメの格安SIMはこの4つ! 制限はあるが格安で見放題にできる
今最も人気の動画サービスといえばYouTubeです。大手3キャリアの無制限プランならいつでも高画質で見放題ですが、料金が高いのがネックです。今回はYouTubeを見る人にオススメの格安SIMを紹介します。新規受付終了「OCN モバイル ONE」からの乗り換え先でオススメは? データ容量別に検証
OCN モバイル ONEの新規申込受付が6月に終了した。乗り換えを検討している人も多いと思うが、オススメのキャリアはどれか? 通信量や安定性などに着目して選んでみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.