mineoが長期契約優遇サービスを復活――IIJmioもガイドライン規制が外れ、今年はMVNOに勢い?:石川温のスマホ業界新聞
総務省が電気通信事業法のガイドラインを改訂したことで、MVNOに対する規制が事実上撤廃された。その恩恵を受けるのが、オプテージとIIJ(インターネットイニシアティブ)で、引き続き規制の掛かるMNOには“できない”キャンペーンやサービスを打ち出し始めた。ただ、事業規模を考えると、MNOはMNOでも楽天モバイルに対する規制は緩和してもいいのではないだろうか。
MVNOサービス「mineo」を展開するオプテージは2024年1月30日にサービス発表会を開催。長期契約優遇サービスを復活させ、端末割引も増額するキャンペーンを実施すると明らかにした。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2024年2月3日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
今回の内容はもちろん、昨年12月27日に改定したガイドラインの影響が大きい。2019年に改定されたガイドラインでは、すべての契約者数の0.7%、100万契約を超えるMVNOに対して、MNOと同じ扱いとなり、100万契約を超えていたIIJmioとmineoに対して、MNOと同様に長期契約者への優遇や端末の割引に制限がかかっていた。
mineoとしては2017年から提供していた「ファン∞とく」の内容を2020年3月から、契約期間の長さではなく、コミュニティサービス「マイネ王」の活動量に応じてコインを付与するという内容に変更を余儀なくされていた。今回のガイドライン改正で復活させたというわけだ。
そもそも、2019年の段階で、この2社をMNOと同等に扱うと決めたこと自体、意味不明であった。
確かに、MNOの特定関係法人が手がけるMVNOが対象となるのは当然だ。一方で、独立系であるはずのIIJやオプテージを対象に含め、競争力を落としてしまったのは失策と認めざるを得ないのではないか。
本来であれば、体力的にも強く、個性的なメニューを作り、競争力のあったIIJとオプテージにはもっとMNOのサブブランドやオンラインブランドに対抗し、MNOと積極的に戦うべきポジションにあったはずだ。
それにもかかわらず、MNOと同じ扱いにしたものだから、もっと戦えたはずの5年近い年月を無駄にしてしまったのではないか。
さらに言うと、新規参入したばかりの楽天モバイルに関しても、3キャリアと同じ規制にしなくても良かったような気がする。三木谷浩史会長は「そんなハンデは背負わない。他社と同じ土俵で戦う」と言いかねないが、既存3社からユーザーを奪い、競争環境を盛り上げるのであれば、楽天モバイルにはもうちょっと端末の割引額を増やせるといった優遇があっても良かったのではないか。
今週、楽天モバイルは2月21日から、利用意思がないと認められる回線への契約解除料(解約事務手数料)を請求すると発表した。「利用意思がない」と判断するのは難しい気がするが、楽天モバイルでは申込み後1年以内に回線を解約する場合、「サービスの利用意思がないにも関わらず契約した」と楽天モバイルが客観的・合理的に判断した場合、契約解除料が請求されるという。
総務省は競争環境を促進しようと契約解除料を見直しさせたが、当然のことながら弊害も出始めている。
果たして、総務省が行った施策は本当に機能しているのか。弊害が出ていないのか。改めてチェックして、間違っていたものは素直に元に戻していくべきではないだろうか。
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