郵便局での「マイナンバーカード」交付申請の受付を開始 イオンモール都城駅前内郵便局から
2023年6月9日から、郵便局での「マイナンバーカード」の交付申請が可能となった。その初対応事例として、2月21日から都城市がイオンモール都城駅前内郵便局に交付申請の業務を委託する。今後、都城市に次ぐ動きが出てくるかどうか、注目が集まる。
総務省は2月16日、イオンモール都城駅前内郵便局(宮崎県都城市)において2月21日から「マイナンバーカード(個人番号カード)」の交付申請を受け付けることを明らかにした。郵便局におけるマイナンバーカードの交付申請の受け付け対応は全国初となる。
法改正で「カードそのもの」の申請も受け付けられるように
従来、マイナンバーカードの交付(新規発行)は「Webサイト」「郵送」「申請対応の証明写真機」のいずれかから申し込む必要があった。
同カードのさらなる普及に向けて、同省は2023年1月から3月まで、携帯電話ショップのない市町村に所在する郵便局に限って「申請サポート」を行う事業を実施したが、あくまでも“サポート”なので、申請そのものは受け付けられなかった。
2023年6月9日、郵便局事務取扱法(※1)の一部が改正され、即日施行された。これにより、郵便局がマイナンバーカードの交付申請の受け付け事務を受託できるようになった。
ただし、マイナンバーカードに関する業務は本来、地方自治体(市町村/特別区)が行うことになっている。そのため、郵便局での手続きを実現するためには、市町村/特別区が対象の郵便局を指定して、日本郵便(郵便局の運営会社)に業務を委託しなければならない。
(※1)正式名は「地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律」で、その名の通り地方自治体(市町村/特別区)の特定事務を郵便局に委託するための根拠となる
郵便局事務取扱法では、市町村/特別区が取り扱うべき事務の一部を郵便局に委託するためのルールが定められている。ただし、市町村/特別区において委託対象の郵便局の選定を行い、議会での手続き(議決)を経る必要がある(出典:総務省)
イオンモール都城駅前内郵便局では、2022年5月10日からマイナンバーカードの電子証明書(※2)の更新やパスワードの初期化/再設定の業務を都城市から受託している(※3)。
- →全国初!郵便局でもマイナンバーカードの一部手続きが可能に!(都城市:PDF形式)
2月21日以降、この受託対象に「マイナンバーカードの交付申請の受付」が加わることで、同郵便局で同カードの交付申請を行えるようになる。
(※2)「利用者証明用電子証明書」と「署名用電子証明書」
(※3)電子証明書に関する事務の委託/受託は、2021年5月19日付の郵便局事務取扱法改正で実現している
法的には、郵便局でマイナンバーカードに関する手続きがほぼ全て行えるようになった。しかし先述の通り、市町村/特別区がアクションを起こさない限り、郵便局での手続きは行えない。今後、都城市のように“積極的な”市町村/特別区がどのくらい出てくるかどうか、注目したい。
交付申請を郵便局で受け付けることで、国民の心理的負担が軽減され、市町村/特別区も業務効率を向上できる。ただし、市町村/特別区からすると、業務委託をする際に議会での議決を得る必要があるため、ある意味で初期段階での“負担”が大きくなってしまう(出典:総務省)
関連記事
マイナンバーカードでチケット不正転売の抑止へ デジタル庁やぴあなどが実験
デジタル庁、ぴあ、ドリームインキュベータは9月5日、マイナンバーカードをエンタメ領域で活用する実証実験を行うと発表した。3者はイベント会場での本人確認や、酒類の提供時における年齢確認などにマイナンバーカードを活用する。他にもマイナンバーカードの活用でイベントチケットの不正販売の抑制につなげる意向が示された。マイナンバーカードの「スマホ電子証明書」を使う 注意すべきポイントは?
マイナンバー(個人番号)カードの付加サービスとして、Androidスマートフォンを対象とする「スマホ用電子証明書」の提供が始まりました。実際に使ってみた上で、改めて注意点をまとめてみました。暗証番号なしの「マイナンバーカード」に意味はある? カギは「券面情報」
マイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」を巡って、政府では暗証番号のないカードの発行を検討しているようです。「カードの趣旨を考えると暗証番号なしはどうなのか?」との声もありますが、リアルでの本人確認や保険証としての利用を考えると、一定のニーズはありそうです。キャリアショップでの「マイナンバーカード申請サポート」が好評だった理由
キャリアショップでマイナンバーカードの申請サポートを行う意義や課題について述べてみたい。キャリアショップでマイナンバーカードのサポートを希望する人の多くがシニア層。繁忙期には100~200人ほどの予約が集まっていた。マイナンバーカードの申請件数、3月末時点で約9614万件 人口の約76.3%に
総務省はマイナンバーカードの申請件数が3月31日時点で約9614万件にのぼり、人口に対する割合が約76.3%になったことを明らかにした。累計交付枚数は3月31日時点で約8440万枚、人口に対する割合は約67.0%。松本剛明総務大臣は関係省庁、自治体と連携した取り組みの成果であると述べた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.