「povo2.0」に“最短3分”契約のデータ専用プランが加わった背景 新サービスへの布石か:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
KDDIのオンライン専用ブランド「povo2.0」に、データ専用プランが加わった。音声通話やSMSには非対応ながら、「最短3分で開通」することを売りにしている。実際に契約しながら、データ通信専用プラン提供の狙いを考察する。
アクティベートまで8分で完了、あっさり契約できたデータ専用プラン
では、実際、povo2.0のデータ専用プランのeSIMはどの程度簡単に発行できるのか。電話を利用する必要がないiPad Pro(11型)の回線として、これを発行してみた。「povo2.0 データ通信専用」は、アプリかサイトから申し込むことが可能。iPad Proには、iPhone用アプリをインストールできるため、ここで手続きを進めた。なお、申し込みの際には、別のモバイル通信かWi-Fiでの接続が必要になる。今回はWi-Fi経由を選択した。
既存のpovo2.0回線ではないので「初めての方はこちら」をタップすると、「データ通信」のみか「通話+データ」を選ぶための画面が現れる。これは、今までのpovo2.0になかった選択肢だ。データ通信専用には、本人確認書類が不要な旨や、通話、SMSが使えない注意事項などが記載されている。MNPも利用できない。次の画面で改めて注意点を確認した後、初回トッピングの選択画面に移動する。
筆者今回、iPad Proに入れておき、メインのソフトバンク回線がつながらないときの使う予備回線にする方針だったため、「データ追加0.3GB(365日間)」を選択した。iPad ProのSIMカードは、ソフトバンクの「データシェアプラス」だが、汎用(はんよう)性を取ってSIMフリー用のSIMカードを入れている。こうした事情で、利用にはAPN構成プロファイルが必要になっていた。海外でeSIMを使い、日本に戻ったときなどにはプロファイルの再ダウンロードが必要になるが、これもpovo2.0があればWi-Fiに接続する必要なく作業を行える。
トッピングを選択したら、重要事項説明などを開いていき、全てを見たら同意にチェックをする。次の画面では、アカウントの登録が必要になり、メールアドレスと連絡先電話番号をそれぞれ入力。メールとSMSそれぞれに届いた認証コードを入れ、氏名、生年月日、住所を入力した後、支払い方法をクレジットカードとペイディから選択する。筆者はクレジットカードを選び、番号を入力した後、「eSIMの設定に進む」をタップした。
初期設定はわずかこれだけ。povo2.0は3回線目で登録するメールアドレスに少々迷ったり、別回線の紹介コードを入力しようとしたりしたことで余計な時間はかかってしまったが、こうした事情がなければもっとスムーズに回線を設定できる。このような回り道をしつつ、本稿に掲載するためのスクリーンショットも撮りながら進めていったが、eSIMプロファイルのインストール終了までにかかった時間は、わずか8分だった。
うたい文句通りの3分にはならなかったものの、モバイル回線の契約と考えれば十分は速さといえる。KDDI Digital Lifeがデータ通信専用回線で提供したかったのは、まさにこのスピードと手軽さ。思い立ったらすぐに回線を追加できる気軽さは、データ通信専用回線の優位性といえる。ただし、現状、即時利用可能になるのが9時30分から20時までに限定されており、この点はコンセプトに沿った改善が必要だ。
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