レビュー

「Leitz Phone 3」を今、選ぶべき理由 ライカの“濃厚な世界観”に浸れるのはこの機種の特権だ(3/3 ページ)

ライカのスマートフォンに第3世代となる「Leitz Phone 3」が登場した。おなじみの4720万画素1型イメージセンサーにSUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.レンズを搭載したカメラが特徴であり、ライカによるチューニングが施され、ライカの世界観を体現した一台となっている。

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濃厚なライカらしさはXiaomi 14 Ultraにはない魅力

 直近で発売されたライカ機でいうと、「Xiaomi 14 Ultra」が話題ですが、Leitz Phone 3はXiaomi 14 Ultraと比べると通好みだと感じます。


上がLeitz Phone 3、下がXiaomi 14 Ultraで撮影したもの

 Xiaomi 14 Ultraは4眼カメラを搭載し、どんな環境でも撮影できるように設計されているのに対して、Leitz Phone 3はSUMMICRON1つで勝負しています。

 両方使用した感想としては、正直Xiaomi 14 Ultraの方が撮りやすさも画質も上であることが多く、旅先で手に取りたくなりました。実際、写真を見返してみてもXiaomi 14 Ultraの方が撮影枚数が多かったです。

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 Xiaomi 14 UltraにはないLeitz Phone 3の魅力は、濃厚なライカの世界観に浸れるところです。それは言語化してみると、NOCTILUX 50mm特有の球面収差が生み出す周辺部の幻想的なボケ感、そしてSUMMILUX 35mmの現行SUMMILUXを絞ったときのようなシャープな解像感です。もちろんLeitz Phoneのデザインやウィジェットなども世界観の一部で、そういったところに魅力を感じる玄人向けの作りなのだと思います。

 ただ、「ライカって結局何がいいの?」という声が依然大きく、私ともどもレビュワーやライカユーザーでさえも言葉にしあぐねていることから分かるように、その世界観を実感し楽しめるようになるには、かなり訓練が必要ですし、人に伝えることはもっと難しいです。つまり、趣味性が高いLeitz Phoneのカメラは、ソーシャル性の高いスマホとの相性は悪いなぁと感じます。

まとめ:LEITZ LOOKSでポケットに入るライカを体現


明るめに撮影。しっとり感、なだらかで素直なボケ、フィルムライクな暗所ノイズ

 ライカらしい高級感ある外観やライカのレンズを再現したLEITZ LOOKSなど、Leitz Phone 3はライカの世界観を存分に楽しめ、写真に対するこだわりを感じられます。特にレンズごとの描写を楽しめる点は、ライカユーザーであればより深く楽しめるのではないかと思います。


夜のMONOCHROME撮影。植物のエッジと遠くのアパートのボケのコントラスト

 第3世代となる今機ではLEITZ LOOKSの機能が強化されました。F値コントロールのボケ味が安定しないこと、ブライトフレームに非対応であることなど、まだまだ進化の余地はありますが、インスタントな写真に対するアンチテーゼとしてじっくりと写真を撮るということに向き合える点は前機種より格段に「良く」なっています。ライカファンとしては、願わくはF値コントロールだけではなくキリッと映るElmar、ふわふわ描写のHektor、そしてソフトフォーカスのThambarなどもっといろいろなレンズにも触れてみたいものです。


19mmを生かした風景撮影、雲の流れがダイナミックに映る

 本家M型ライカと比べればかなり手頃な価格であることを考えると、ライカファンの人のサブ機としてや、ライカの世界観に触れてみたい人の初めての1台として、おすすめできるスマートフォンだといえるでしょう。店頭で見かけたときはぜひLEITZ LOOKSを中心に試してみてください。ハマる人にはハマると思いますよ。

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