レビュー

「Pixel 8a」の性能をPixel 8と比較しながら検証 目新しさはないが完成度の高さは健在(2/4 ページ)

Pixel Aシリーズ最新モデルの「Google Pixel 8a」。「Google Pixel 8」「Google Pixel 8 Pro」 と同じく、Gemini、ベストテイク、音声消しゴムマジックなどのAI機能を搭載した1台だ。実機比較で分かったことをレビューする。

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カメラ機能はデジタルズームで圧勝のPixel 8

 続いてPixel 8aとPixel 8のアウトカメラを比較する。スペックとしてはどちらも広角と超広角カメラで構成されるが、画素数はPixel 8aが6400万画素、Pixel 8が5000万画素となっている。作例とともにどれだけ写りが異なるのかを確認する。


Pixel 8aとPixel 8で写真を撮り比べてみた

アウトカメラの配置はどちらも同じだが、スペックは異なる

 超広角の0.5×ではワイドに撮れて、四隅のゆがみは気にならない。色味や明るさも自然で、Pixel 8aとPixel 8とで大差は出なかった。以下は同じ場所で昼間と夜間に撮影した際の作例となる。全て左の写真がPixel 8a、右がPixel 8で撮影した作例だ。


昼間に0.5×で撮影した画像

夜間に0.5×で撮影した画像

 0.5×から1×、2×に切り替えて撮影したが、ほとんど差はないが、デジタルズームでは明らかな違いがある。分かりやすく最大倍率の8×で比較する。昼間も夜間もPixel 8aでは被写体に選んだ鹿のオブジェにピントが合わず、ディテールが不鮮明だ。

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1×では差が分からない

夜間での1×も同様に差はほぼない

2×も1xまでと同様にきれいな仕上がりだ

2×での夜景も手ブレが補正され、大差は確認できない

 一方のPixel 8は鹿のオブジェどころかその背景の木やビルの窓枠まで鮮明で、デジタルズームとはいえ、きれいな写真だ。夜間の写真を比べてもPixel 8aで撮影した写真は全体的に粗く、ライティングの色も不自然だ。実際は黄色の街灯や、下から照らす白色のスポットライトが混ざって反射しているため、Pixel 8の仕上がりが実物に近い。


Pixel 8aで撮影した写真(左)に比べて、Pixel 8で撮影した写真(右)はディテールがはっきりとしている。どちらの画像も最大倍率の8×で撮影した

暗所での仕上がりもPixel 8に軍配が上がる

 どちらのモデルも複数の画素を束ねることで、受光量を増やしノイズを抑制する「ピクセルビニング」を採用するが、Pixel 8がOcta PDであるのに対し、Pixel 8aはQuad PDとなっており、ピクセル幅はPixel 8が1.2μmであるのに対し、Pixel 8aが0.8μmとPixel 8より小さいため、集光量が少ない。

 同じピクセルビニングという技術を採用するも、より光を多く取り込めるPixel 8の方がデジタルズームでもきれいな写真を撮影できるということだ。GoogleはPixel 8aで「最大8倍の超解像度ズームが使える」と表現しているが、作例は“超解像”といえるほどの出来栄えではないため、その表現にいささか違和感を覚えた。


Google Japan Blogにも「最大8倍の超解像度ズームが使える」ことが明記されている

 マクロモードの可否もPixel 8aとPixel 8の違いなので触れておく。1xで被写体とのPixelの距離を約5cmにして、撮影すると違いがよく分かる。マクロモード対応のPixel 8は被写体に寄ると自動でマクロモードになるが、Pixel 8aは被写体に寄りすぎると、被写体から離れるように指示する。

 なお、Pixel 8aもPixel 8も映り込んでしまった被写体を消すことが可能な「消しゴムマジック」や、動画の中から不要な音だけを消せる「音声消しゴムマジック」、複数枚の写真を撮影し、類似した複数枚の画像を組み合わせることで、人の不自然な表情や顔の向きを修正できる「ベストテイク」なども利用できる。

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