NTTコム、ローカル5G網と公衆モバイル網への接続を自動で切り替えるSIMアプレットを開発
NTTコムは、ローカル5G網と公衆モバイル網への接続を自動で切り替えるSIMアプレットを開発。これと同社独自技術「アプレット領域分割技術」を活用したSIMを組み合わせれば、人手を介さず自動で切り替え可能となる。
NTTコミュニケーションズは、10月2日にローカル5G網と公衆モバイル網への接続を自動で切り替えるSIMアプレットの開発について発表。東日本電信電話(NTT東日本)が運用中のローカル5Gサービスやその環境を用いて技術検証を行った。
ローカル5Gを利用して複数の免許交付エリア間を陸上移動局(User Equipment、以下UE)が移動するような場合、電波法とローカル5G導入に関するガイドラインを順守して利用するためには免許交付エリア外で不要な電波送出を止める運用が必須となる。
本技術は、1つのSIMの中にローカル5G網のプロファイルと公衆モバイル網のプロファイルを実装。SIMの中のアプレット領域に、プロファイル切り替え機能と、SIMが自動で接続を判断するエリア判定機能を実装する。これにより、免許交付がされているローカル5Gエリア内ではローカル5G網のプロファイルで、免許交付がされているローカル5Gエリア以外では公衆モバイル網のプロファイルで通信できる。
このアプレットを動作させれば、電波法とローカル5G導入に関するガイドラインを順守するためのSIMの差し替えに、人手を介することなくSIMを自動で制御できるとしている(特許出願中)。
本技術を活用し、以下のようなユースケースを想定する。
- 鉄道や自動車、バスなど、免許が交付されているローカル5Gエリアと公衆モバイルエリア間を移動する際に、アクセスネットワークを自動で切り替えて通信を継続させる
- ローカル5Gシステム障害のバックアップ回線として、公衆モバイル網へ自動で切り替えて冗長化での高可用性を維持させる
- 広大な土地や物影など、ローカル5Gの不感エリアで公衆モバイル網に切り替えて通信持続性を継続させる
今後は本技術の実用化に向け、ユーザーPoCでの受容性評価検証(2024年度下期予定)などを進めていく。また、公衆モバイル網のプロファイルに同社のサービス「IoT Connect Mobile Type S」を用い、現在サービス提供中である「docomo Businessプライベート5G」のローカル5Gのオプションメニューとしてサービス化を行う予定だ。あわせて、NTT東日本の「ローカル5Gオープンラボ」で今後展示を行う他、10月10日から開催される「docomo business Forum’24」でも紹介する予定。
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