WhiteLabの「ソーラーリング」は太陽光駆動で充電いらず! 健康寿命延長の第一歩:CEATEC 2024
CEATEC 2024には、中小企業やベンチャー企業も多く出展している。充電なしで駆動するスマートリングを展示しているベンチャー企業があると聞いて、ちょっと見に行ってみた。
10月18日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されている「CEATEC 2024」では、中小企業やベンチャー企業も出展している。大手企業/団体と比べるとブースは小規模だが、興味深い展示も少なくない。
医療や健康に関する機器の企画/研究/開発を手がけるベンチャー企業「WhiteLab」(東京都中央区)のブースは、そんな興味深いブースの1つで、充電不要な指輪型スマートデバイスなるものを展示しているという。見に行ってみよう。
充電不要な指輪型スマートデバイス「ソーラーリング」とは?
WhiteLabが展示している充電不要な指輪型スマートデバイスは「ソーラーリング」という。その名の通り、太陽(ソーラー)で発電を行うことでバッテリーやキャパシターなしで稼働することが特徴だ。
ソーラーリングの外側には、360度全面に渡ってソーラーパネルが配置されている。このパネルはWhiteLabが独自に開発したもので、向きを気にすることなく発電できるという。家庭内の蛍光灯やLEDライトの光でも必要な電力を充電可能だ。
リングの内側にはフレキシブル基板を配置している。この基板には各種センサーを搭載可能で、今回展示されたバージョンでは気温/水温/体温のセンサーを搭載していた。将来的には心拍/心電/SpO2計測用のセンサーも想定しているそうだ。
このリングが取得した各種データは、スマートフォンアプリを介して確認できる。通信にはBluetooth Low Energy(BLE)を使っているが、通信に必要な電力もソーラーパネルでまかなう。
実は“完成形”ではない「ソーラーリング」
WhiteLabがソーラーリングを開発したのは、「新型コロナウィルスによるパンデミック以降、体温を測る機会が増え、データの計測をIoT化できないか」との要望が多く寄せられたことがきっかけだという。世界中の各種スマートデバイスを入手して検討した結果、指輪型のデバイスにソーラーパネルを内蔵した形にたどり着いたそうだ。
ただ、ソーラーパネルには光が遮られると発電できないという致命的な欠点がある。具体的にいうと、就寝時に電灯を消して布団に入ると発電できなくなるため、データ計測を継続できなくなってしまうのだ。
このデメリットは、WhiteLabも認識している。そこで次のフェーズとして「サーモリング」の開発を始めているという。これはソーラーパネルが使えない場合に熱発電素子を使って電源供給するというもので、理論上は生体反応がある(=生存している)限りずっとデータを送信し続けられるようになる。
外部電源いらずで使えるスマートデバイス――近い将来、実現するかもしれない。
スマートフォンを持たない人でもソーラーリング(あるいはサーモリング)によるデータ計測を行えるように、LTEモジュールを統合した「センサーコネクト」という中継器を用意している。アンテナ内蔵タイプとアンテナ外付けタイプがあり、アンテナ外付けタイプは10年間通信できるeSIMを統合している
上の写真にもある通り、アンテナ外付けタイプは基板がコンパクトなので、バッテリーを内蔵した腕時計タイプに仕立てたりもできるのだが「『NO MORE 電池』とうたっておきながらバッテリー駆動とするのはどうなのか?」という意見があったらしく、ソーラーパネルによる発電でも十分稼働できるように消費電力を抑えたそうだ
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