レビュー

「AirPods 4」を買うべき人は? AirPods Proや既存インナーイヤー型イヤフォンと比較しながら考えた(2/2 ページ)

Appleが発売した完全ワイヤレスイヤフォン「AirPods」に新作の「AirPods 4」が登場した。本機種はイヤーピースを用いないインナーイヤー型ながら、アクティブノイズキャンセリングに対応するANC版も用意される。筆者も発売してからすぐに購入したため、実際に使ってみた感想を競合製品と踏まえてレビューしてみることにする。

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AirPods以外にもある「ANC対応インナーイヤー型イヤフォン」

 AirPods 4を使うとなれば、もっぱら端末はiPhoneやiPadに限られてくる。これ以外の環境で利用できる解放感とノイズキャンセリング機能を両立させたインナーイヤー型のイヤフォンはあるのだろうか。

 インナーイヤー型でノイズキャンセリング機能が利用できる商品として、著名どころにはHuaweiの「FreeBuds 5」やXiaomiの「Xiaomi Buds 5」、サムスン電子の「Galaxy Buds 3」がある。意外にもこの手の製品はオーディオメーカーよりも、スマートフォンを展開するメーカーから多く出ている。

 サムスン電子のGalaxy Buds 3は高性能なノイズキャンセリング機能を備えているものの、接続性は同社のGalaxyスマートフォンに特化している。Galaxyユーザーにはこれ以上にないおすすめの商品だが、それ以外のメーカーのAndroidスマートフォンでは機能に制限があったり、高音質コーデックを利用できなかったりする。

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 ノイズキャンセリング性能ではAirPods 4に一歩劣るものの、外音取り込み性能はかなり近い所まで来ていると感じた。音質面でもGalaxyでは「SSC」(Samsung Seamless Codec)が利用できることもあり、AirPodsよりも有意に感じられた。価格も2万7500円とAirPods 4と大きく変わらない高級志向の製品だ。


Galaxyユーザーには「Galaxy Buds 3」がオススメだ

 HuaweiのFreeBuds 5は、この手の製品としては最初期のもので、独自のアルゴリズムによるノイズキャンセリング性能を獲得した。また、この手の製品としては珍しく高音質コーデック「LDAC」にも対応しており、高音質なインナーイヤー型のイヤフォンとしても先駆者のような製品だった。価格は発売時は2万7000円前後だったが、今は2万円前後の設定だ。後発のAirPodsよりも安価な設定となっている。

 FreeBuds 5はノイズキャンセリング、外音取り込み性能ともに後発のAirPods 4に一歩譲る。このあたりは世代の問題で仕方ないが、LDAC接続による高音質再生はAirPodsにない大きなアピールポイントだ。価格は2万1800円。

 LDAC接続は多くのAndroidスマートフォンで利用できることもあり、廉価帯のスマートフォンを使っていても安心して利用できる。インナーイヤー型のイヤフォンでより高音質を求めるのであれば、今から選んでもアリな製品だ。


FreeBuds 5は「高音質」なインナーイヤー型のイヤフォンを求めるならありだ

 XiaomiのXiaomi Buds 5はAirPods 4と比較するとより後発の商品だ。こちらもノイズキャンセリング性能を備えるが、高音質もウリにしている。高音質コーデックのaptX Losslessに対応し、Snapdragon Soundに準拠した高音質通話、低遅延接続が可能だ。価格は1万1480円と他の機種よりも安く、AirPods 4の半額以下に抑えている。

 Xiaomi Buds 5はノイズキャンセリング、外音取り込み性能ともに価格帯が上のAirPods 4に引けを取る。一方こちらもaptX Lossless環境ではより高音質で楽しめることから、やはり「高音質」で差別化を図った商品だ。

 FreeBuds 5と異なる点として、aptX Lossless(aptX Adaptive)の環境に対応するスマートフォンがLDACに比べると少ないこともあり、高音質で楽しめる環境は限られる。対応するスマートフォンは比較的最近の商品で高価なものが多くなるが、対応環境であればより安く高音質で楽しむことができるはずだ。


Xiaomi Buds 5はaptX Lossless対応による高音質をアピール。1万1480円と価格をぐっと抑えたことも魅力だ

 他にも、SOUNDPEATSから「Air5」という実売価格1万円以下でXiaomi Buds 5クラスの機能を備える製品もあり、Androidスマートフォンでも利用できるイヤフォンは増えている。求めるものが音質はもちろん、コストパフォーマンスでも選択肢は多い。

 AirPods 4の登場で盛り上がるノイズキャンセリング機能に対応するインナーイヤー型イヤフォン。ワイヤレスイヤフォンの覇者であるAppleが商品を投じたこともあって、今後参入メーカーがさらに増えてくるだろう。

 ワイヤレスイヤフォンの進化はスマホ並みの速度で進化を続けている。そのため、2~3年前の商品から乗り換えると、各種性能が飛躍的に向上していると感じる。AirPods 4も含め、興味がある人はぜひ店頭で試してほしい。

著者プロフィール

佐藤颯

 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。

 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

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