iPhone 17向けケースや新充電器でESRが日本市場攻略へ 「隠れスタンド機能」「結露しない冷却ファン」に注目(1/2 ページ)
香港のスマホアクセサリーメーカーのESRが、日本市場に本格展開する。iPhone 17シリーズやiPhone Air向けのケースや充電器を多数発売。ケースの特徴は「隠れスタンド機能」と「強力な磁力」にある。
香港のスマートフォンアクセサリーメーカーのESRが、日本市場を本格展開する。
ESRは、iPhone、iPad、AirPodsなどApple製品向けのケース、充電スタンド、車載充電器、キーボード、保護フィルムなどを展開している。これまで、日本ではAmazonを中心に販売してきたが、日本語に対応したECサイトを開設。ヨドバシカメラやビックカメラなどの量販店にも販路を拡大し、今後は日本での店舗展開も視野に入れているという。
9月11日に開催した製品発表会で、マーケティング部長の 吉江礼顧氏が新製品の詳細や日本での戦略を説明した。
“隠れスタンド”機能を搭載したiPhoneケース 耐衝撃性能も重視
9月11日に「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」に対応したケースを発売した。
「ESR Classic ハイブリッドマグネットケース」は、新型iPhoneのカメラバーやカメラレンズも保護するアクリル製のクリアケース。カメラバーを2.4mm高く、ディスプレイ面を1.2mm高くすることで、本体を落としてもディスプレイとカメラレンズが傷つかないよう守る。角の耐久性を強化した「エアーガード・コーナー」により、約3.3mからの落下耐性を実現したという。
カメラバーの保護部分に「隠れスタンド」機能を搭載しており、15~69度の角度に調整できる。横置きと縦置きの両方に対応しているので、動画視聴やビデオ通話の際に役立つ。iPhoneのカメラコントロール部分もカバーしており、ケース上のボタンから押し込みやスライドなどの各種操作ができる。背面プレートは、Qi2の25W充電やMagSafeに対応している。価格は2799円。
「ESR Cloud ソフトマグネットケース」はシリコン素材を採用しており、カメラバーは2.4mm、ディスプレイ面は1.7mm高く設計している。隠れスタンドやQi2、MagSafeにも対応する。価格は3199円。
上記2つのケースも備えている隠れスタンドは、ESR製スマホケースの大きな特徴だ。スタンド機能を搭載したケースは他社製品にもあるが、その多くは独立したスタンドを背面に設けており、見た目からも分かる。便利な反面、ケースのデザインを損なっているのも事実だ。しかしESRのケースはカメラカバーに備えているので、パッと見でスタンド付きだと分からず、デザインも損なっていない。まさに“隠れた機能”といえる。
もう1つが強力な磁力だ。ESR Cloud ソフトマグネットケースは約1400g(ガウス)、ESR Classic ハイブリッドマグネットケースは約1500gの磁力を持つ。ESRによると、これは一般的なスマホケースが持つ磁力の約2倍に相当するという。iPhone 17シリーズやiPhone Airにケースを装着したままでも、MagSafe対応の製品を強固に吸着できるはずだ。
ディスプレイの保護フィルムとして「ESR UltraFit Armortie Pro スクリーン保護フィルム」も発売する。Corning製のガラスを採用しており、64gの鋼球を2.5メートルから落下させても耐えるテストに合格。専用の「UltraFit トレイ」を用いると、簡単に位置合わせができ、ホコリや気泡を防ぎながら貼り付けられる。価格は2999円。
「ESR UltraFit Classic スクリーン保護フィルム」は1万回のスクラッチ耐久試験をクリアしている。価格は2199円。「ESR UltraFit Classic スクリーン保護フィルム」は1699円の安価なフィルムだが、0.5メートルの落下耐性や1500回のスクラッチ耐性を確保している。
独自冷却システム「CryoBoost」搭載の卓上充電器や車載充電器
ESRは、「CryoBoost」という独自の冷却システムを搭載した卓上充電器や車載充電器の新製品も9月15日から販売している。
「ESR CryoBoost 3-in-1 マグネット充電ステーション(25W)」は、iPhone、Apple Watch、AirPodsの3台を同時に充電できるスタンド。ワイヤレス充電規格はQi2.2に対応し、旧製品の合計15Wから合計25Wに改良し、スマートフォンは15Wで高速充電できるようになった。室温が25℃の環境で行った試験では、Apple純正の35W有線ケーブルを使った場合と同等の速度で充電ができるという。
CryoBoost冷却システムにより、充電時に発生する熱を最大3.6℃低く抑えられるという。iPhoneは横置きと縦置きの両方で充電可能。旧製品からの改善点として、冷却ファンのオンとオフを切り替えるスイッチを搭載し、夜間は冷却ファンをオフにして静かな環境を維持できるようになった。価格は1万4999円。
「ESR OmniLock マグネット車載充電器(Qi2.2、CryoBoost、エアコン吹き出し口)」は、アームが360度回転する充電パッドを備えている。この「OmniLock」と呼ぶアーム構造は特許を取得しており、運転中の視界を遮らないよう柔軟に角度を調節できる。Qi2.2対応の25W急速充電や、CryoBoost冷却システムにも対応している。価格は8999円。
なお、旧製品では固定アームとエアベントの距離が近かったため、冬のエアコン使用時に、暖房の風がスマートフォンを暖めてしまい、本来の充電速度を発揮できなかった。そこで新製品では固定アームを長くすることで、暖房の風がスマホに強く当たらないように設計し、高速で充電しやすくなった。
「ESR CryoBoost 折りたたみ式 3-in-1 マグネット充電ステーション(25W)」は、折りたためるのでコンパクトに持ち運べる。3台のデバイスを同時に充電でき、Qi2.2に対応する。旧製品にはないCryoBoost冷却システムを新たに搭載し、冷却ファンのオンとオフを切り替えるスイッチも付いている。価格は1万4500円で、10月30日に発売する予定。
冷却機能を搭載した充電器を使用することで、スマートフォンの温度が急激に下がり、その温度差によってスマホ内部に結露が発生することが懸念される。しかしCryoBoostでは、ファンから風を吹き出す仕組みを取り入れており、急激に温度が下がらないよう微風にとどめている。そのため、結露が発生しにくいという。実際に製品から風が出ている部分に手を当てて確認したが、確かにわずかな風が吹き出ているのみで、冷却するというよりは、充電中の温度上昇を抑えることに注力しているようだ。
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