極薄折りたたみ「Galaxy Z Fold7」「OPPO Find N5」を比較 持ちやすさからカメラ、画面の見やすさまで(3/3 ページ)
「Galaxy Z Fold7」と「OPPO Find N5」を使ってみて、両者の強み、弱みを比較した。いずれの機種も、閉じた状態で8mm台という薄さを実現している。持ちやすさ、ディスプレイの見やすさ、カメラ性能、バッテリーの持ちなどを検証した。
折りたたんで使いやすいのはメリットだが、薄すぎるゆえの不便さも
OPPO Find N5、Galaxy Z Fold7の両機種とも折りたたみ時で8mm台を実現し、折りたたみスマホにおける新たな薄型化の領域に突入した。改めて重量、厚さともに「折りたたんでも普通に使える」スマートフォンというステップに突入したと感じた。
まとめになるが、先行したOPPO Find N5はGalaxy Z Fold7に対して、より大きなディスプレイ、バッテリー性能、急速充電性能、カメラ性能、防水性能で勝ると感じた。細かいところではGalaxyで廃された純正スライタスペンが使える点、アラートスライダーなどの独自機能を備え、王者Galaxyシリーズに対してしっかり差別化を図っている。
一方で、Galaxy Z Fold7は薄型軽量ボディー、ディスプレイ性能、折りたたみ端末向けのソフトウェアの完成度、サポート期間の長さが挙げられる。Geminiとの連携やマルチタスクでの自由度の高さも他機種に先行している。
先行した中国勢が大容量バッテリーやカメラ性能強化といったハードウェア的な進化をアピールする中、王者Galaxyはさらなる軽量化に加え、ソフトウェアもしっかり煮詰めてきた印象だ。ペン非対応やアンダーディスプレイカメラの廃止は惜しいが、それ以上に得たものが大きいと感じた。
また、閉じた状態での使い勝手や持ちやすさにもしっかり目を向けており、閉じた状態でも「普通のスマホ」として使えるように進化した。展開時の大画面以上に閉じた状態での快適さが特徴と感じた。
両機種を使っての感想は、Galaxy Z Fold7の方が後発ということもあり、トータルでの完成度は高いと感じた。
しかし、各社が突き詰めた「薄さ」はメリットばかりではないと感じた。今回比較した2機種は共通して画面の展開時に指を差し込みにくい、開く際の力のかけ方がシビアになるといった課題も浮かび上がってきた。
これは8mm台の折りたたみスマホに共通していえることで、画面を開く際に隙間に指の当たる面積が少ないことから、展開しにくい。隙間に爪を立てたり、音量ボタンに指をかけたりすれば容易に開くとはいえ、どちらも本体を破損してしまう可能性もある。ケースを装着すればある程度改善するが、せっかくの薄型軽量化の意義を半減してしまう要素と感じる。
これを改善するにはフレームの滑り止め加工といった形状や仕上げの工夫が必要と感じた。ネット上では、軽量化はうれしいが、厚さはGalaxy Z Fold6くらい(10mm前後)でもいいという意見もあるほどで、ディスプレイの開きやすさは、折りたたみスマートフォンを選ぶ上でも重要な要素になりつつある。
薄型化を競うことはマーケティング的なインパクトは大きいものの、ユーザーにとっては必ずしもベストな進化とはいえないことを実感した。むしろ適度な厚みによる握りやすさや堅牢(けんろう)性、そして使いやすさ全体のバランスが重要だと感じた。
初代Galaxy Foldの登場から6年。折りたたみスマホの成熟期に入った今こそ、メーカーは「極限の薄さ」よりも「持ちやすく、安心して使える設計」を重視すべき段階にあるのではないだろうか。
著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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