三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円(3/4 ページ)
韓国Samsung Electronics(サムスン電子)が初の三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」を韓国で発表。独自の内折り「G型」構造で、6.5型から10型の大画面に変形する。3分割表示やDeXモードに対応し、価格は約38万円だ。実機を触ってきたのでレポートする。
「G型」に折りたたむ構造のGalaxy Z TriFold
HuaweiのMate XT Ultimate Designは“Z型”、すなわち蛇腹を折りたたむように本体を3つに折りたためる。一方、Galaxy Z TriFoldは「G型」で、ディスプレイを左右から順番に折りたたむ構造だ。
本体を底面から見ると、「G型」の構造がよく分かるだろう。左右からそれぞれ折りたたむため、片側はヒンジ部分がもう片側より長くなっている。内側のディスプレイを包み込むように折りたたむことになる。
続いて閉じた状態から開いてみよう。アウトディスプレイ側を下にして、背面のカメラ部分側、すなわち右側をまずは開いていく。この際に、ヒンジ位置は途中では止められず、完全に開いた状態で止まるようになっている。
右側を開ききると、内側のメインディスプレイの約1/3が見えた状態となる。Huaweiの「Z型」の場合は、この形状にしたときに、7.9型の正方形のディスプレイが現れるわけだ。しかし、Galaxy Z TriFoldは「G型」構造のため、右側がディスプレイ、左側にはまだ開いていない背面が残った状態になる。この状態では右側に見えるディスプレイがわざとぼかした状態となり、表示を見たりタッチ操作を行うことはできない。
ところでこの状態で底面側から見ると、左側のまだ開いていないディスプレイがわずかに浮き上がる。これはこの左側を開くときに、指先を入れて開きやすくするためだ。もしも浮き上がりがなければディスプレイ面に指先や爪を当てて引き上げなくてはならず、傷や破損の原因になってしまうだろう。
Galaxy Z TriFoldを開いて使うときは毎回必ず左右に開かなくてはならないが、これはうまく工夫されている。
後はこのまま左側を開けば完了だ。左側もヒンジ途中で止めることは出来ず、完全に開く必要がある。
実際に操作してみると、二つ折りスマホよりもワンアクション余計にかかるため、急いでディスプレイを開きたいときなど、やや手間がかかると感じられた。また、開いたサイズは横に広い。
二つ折りスマホなら開いたまま屋外で使うのも問題ないが、三つ折りを開いた状態はやや大きいため混んでいる電車の中などでは縦向きに使うなど工夫がいるだろう。とはいえ4:3の横長画面は快適であり、動画やスプレッドシートを全画面表示すると普通のスマホや二つ折りスマホでは味わえない没入感や作業領域の広さを感じる。
同じ折りたたみスマホでも、二つ折りと三つ折りでは開いたときのユーザー体験は大きく異なる。
ところで本体を閉じるとき、逆方向から閉じようとすると画面に警告が出るとともに、バイブレーションが動作して間違った方向から閉じていることを警告してくれる。
関連記事
三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」詳細発表 開けば“iPad”に近い10型サイズに まず韓国で発売
サムスンが三つ折り「Galaxy Z TriFold」を発表、12月12日から韓国や米国等で順次発売。閉じた状態は通常スマホだが、2度開くと10型の大画面が出現。折りたたみ開発10年の知見を凝縮した。モバイルAI時代に向け、携帯性・性能・生産性の3要素を1台で実現することを目指して開発された。「Galaxy Z Fold7/Z Flip7」の進化をハードとソフトの両面から考える Googleとの連携強化で他社をリード
「Galaxy Z Fold7/Flip7」は、過去最大級とも言っても過言ではないフルモデルチェンジを果たした。特に、Galaxy Z Fold7は、その根本ともいえるコンセプトの方向をやや変え、“普通に使える大画面スマホ”に脱皮した印象を強く与える。ソフトウェアという観点ではGoogleとの協業もさらに深めている。「Galaxy Z Fold7」が先代より26%も薄くなったワケ Sペン非対応も、これぞ「Ultra体験」の実機を速攻チェック
サムスン電子が、フォルダブルスマートフォンの新製品「Galaxy Z Fold7」をグローバルで発表した。7世代目となるGalaxy Z Fold7では、一気に厚さと重量をそぎ落とした。ディスプレイが大きくなり、カメラはGalaxy S25 Ultraと同等の2億画素に進化した。新折りたたみ「Galaxy Z Fold7」発表、歴代最薄ボディーに2億画素カメラ搭載 Z Fold6からの進化点を総ざらい
Samsung Electronics(サムスン電子)は7月9日、折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold7」を発表した。歴代最薄ボディーに2億画素カメラなどを搭載した。何が「Ultra級」なのかを実機で比較する。薄さ11mmの三つ折りスマホ、GalaxyやPixelにはない新たな使い方を提案 コンセプトから見えた「折りたたみスマホの次」
折りたたみスマートフォン(フォルダブルスマートフォン)に新たな選択肢が追加されるかもしれない。中国Transsion(トランシオン)が展開するTecno(テクノ)は8月28日、三つ折りスマホ「PHANTOM ULTIMATE 2」を発表した。折りたたんだ状態の厚さは11mmとなっている他、30万回以上の折りたたみに耐えられるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.