Nothingが「Phone (3a) Community Edition」発表 5万9800円 9カ月の共創が形に(1/2 ページ)
Nothingは9日、「Phone (3a) Community Edition」を発表。12GB+256GBで5万9800円だ。公式Xによると700件の応募から選ばれた作家と9カ月間、数百回の会議を重ねて共同開発したという。
Nothing Technologyが12月9日、「Nothing Phone (3a) Community Edition」を公式サイトやSNSで発表した。メモリとストレージは12GB+256GBで、販売価格は5万9800円とした。Nothing Japanの公式Xアカウントによれば、今回のプロジェクトには700件の応募があり、選ばれたクリエイターとNothingのチームが9カ月にわたり、何百回ものミーティングを重ねて共同作業を進めてきたという。Nothingは、この取り組みをコミュニティーとともに実際の製品を作り上げる初の試みとして位置付け、ものづくりを支えるコミュニティーの重要性を強調した。
Community Editionが生まれた背景
Nothingは、コミュニティーの参加者が実際に世の中に出る製品のデザイン工程に関われるプラットフォームを構築し、企業側と対等に意見を交わせる環境を整えた。担当者は、ものづくりに関わる人たちを大切にする姿勢を示し、今後もコミュニティーとの協働を続ける意向を語った。今回の特別版はその象徴となるモデルで、選ばれたクリエイターのエムレとNothingのインダストリアルデザインチームがロンドン本社で再設計を進めていった。
デザインに込められた要素
エムレが着想の源にしたのは90年代後半のテック文化で、鮮やかな色彩と遊び心を盛り込んだ仕上がりになっている。Nothingの特徴であるシースルー構造を維持しながら、レトロなスタイルを現代的に解釈する方向でまとめたという。ツヤ消しのカラーフィニッシュはNothingのスマートフォンとして初の試みで、エムレは幼少期に夢中になったカラフルなゲーム機を思い出しながらデザインしたと説明。さらに、デバイスのアクセントカラーをパッケージにも反映させた点も新しい挑戦で、型にはまらない発想が製品全体の印象を決める要素になった。
エムレ氏のデザインは90年代後半のテック文化に着想を得て、鮮やかな色彩と遊び心を注入した。Nothing特有のシースルー構造を維持しつつ、レトロを現代的に解釈。初のマット仕上げは幼少期のゲーム機をイメージし、パッケージにもアクセント色を反映させるなど、型にはまらない発想が光る
Nothingのデザインチームは、エムレの案が既存のルールから外れる部分も多かったとしながら、あえて制約を取り払うことで新しい方向性が見えたそうだ。共創という形をとったことで、互いにリスクを負いながら細部まで詰めていくプロセスが可能になり、エムレ自身も「ビジョンを失わずに細部を磨き上げることができたからこそ、画期的なものが完成した」としている。
プロセッサはSnapdragon 7s Gen 3を採用。メインカメラは5000万画素、24mm、F/1.88のレンズで、望遠カメラは5000万画素、50mm、F/2.0のレンズを採用する。超広角カメラは800万画素、15mm、F/2.2で視野角120度。インカメラは3200万画素で22mm相当のシングル構成となる。ディスプレイは6.77型のフレキシブルAMOLEDで、1084×2392ピクセルの解像度を持つ。バッテリー容量は5000mAhで、耐久性はIP64等級の防塵(じん)・防滴性能を備える。
Nothingは今回のCommunity Editionを、コミュニティーと共に歩む姿勢を具現化した製品とし、協創型のものづくりを今後も広げていく考えを示した。
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