PayPayとVisaが戦略的提携、米国進出へ 日本でもPayPay加盟店とVisaの連携強化狙い
PayPayとVisaが戦略的パートナーシップ契約を締結した。米国でのデジタルウォレット展開を検討する他、国内ではPayPay残高やカード機能を1つのVisa資格に集約し、カード・QRを横断した決済体験の実現を目指す。
PayPayとVisaは2月12日、決済事業を中心とした戦略的なパートナーシップ契約を締結したと発表した。両社はPayPayのグローバル展開の第一弾となる米国事業の共同推進と、日本国内事業の連携強化に向けた検討を開始する。
グローバル展開においては、PayPayが主導して設立する新会社を通じて、米国でNFC(タッチ決済)とQRコード決済の両方に対応したデジタルウォレットの展開を目指す。まずは米国カリフォルニア州などの一部地域でQRコード決済加盟店ネットワークの構築を検討する。あくまで検討を始める段階であり、具体的な開始時期は未定だ。
PayPayの中山一郎氏(代表取締役 社長執行役員 CEO)は、米国市場について「個人消費は日本(約280兆円)の約6倍もあり、その中で現金市場がまだ300兆円もある。巨大なポテンシャルがある市場だ」と言及した。2030年にはデジタルウォレットの浸透率が40%に達するという予測を背景に「スマートフォンを使ったNFCとQRコード、この『デュアルモード』を実装して挑戦したい」と意欲を語った。
日本国内では、PayPay加盟店に向けてVisaカード決済の受け入れを拡大させる。中小規模の店舗を含む幅広い環境で、クレジットカード決済の導入を促したい考えだ。
PayPayユーザー向けには、Visaの技術を活用して「PayPay残高」「PayPayカード」「PayPay銀行」の機能を1つのVisa認証情報(クレデンシャル)に集約するサービスを年内をめどに提供する。例えば、現在のPayPay カード(レギュラー/ゴールド)、アプリ上のPayPay残高カード、PayPay銀行デビットカードを統合した新しいPayPay カードを検討中だという。
ユーザーはアプリ上で複数の支払い手段を一元的に管理できるようになる。慣れ親しんだ1つのインタフェース上で、利用シーンに応じて決済方法を選択することが可能になるとしている。
クロスボーダー決済領域も強化する。訪日外国人がPayPay加盟店で自身の使い慣れた支払い手段(Visa Pay)を利用できる環境を整える他、PayPayユーザーが海外渡航先でも安心して決済できる仕組みの提供を目指すという。
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