アクションカメラに5Gスマホを合体 中国Ulefoneの「Xsnap 7 Pro」が変態的だった
中国Ulefoneが発表したXsnap 7 Proは、本体に着脱可能なアクションカメラを内蔵した5Gスマホだ。Dimensity 8400や9000mAhの電池を搭載し、過酷な環境にも耐えるタフネス性能を誇る。独自路線のモジュール構造により、大手メーカーとは異なるニッチな需要に応えるユニークな1台といえる。
MWC Barcelonaで見かけた変態的なスマートフォンとして、中国UlefoneがRugOneブランドで展示していた「Xsnap 7 Pro」を紹介する。
同社が「世界初の着脱式アクションカメラ」を備えるスマートフォンとアピールする本機種は、スマートフォンでありながら着脱可能なアクションカメラを本体に組み込んでいる。メーカーの説明員によると、展示した実機はまだ開発機としつつも、ハードウェア自体はほぼ完成形としており、2026年中の発売を目指すとのこと。詳細な仕様は、準備が整い次第公表するとしている。
プロセッサにMediaTek製の「Dimensity 8400」を採用し、メモリ12GB、ストレージ512GBという構成。ディスプレイは6.67型 1.5K解像度の有機ELを搭載し、120Hzのリフレッシュレートをサポートする。eSIMにも対応するのは、この手のタフネススマホでは珍しい仕様だ。
本体はIP68/IP69Kの防水・防塵(じん)性能に加え、MIL-STD-810準拠の耐衝撃性能を備える。着脱可能なモジュール型のカメラなども、スマホと同様の基準を満たす設計にしているという。タフネススマホとしての用途にもしっかりと応えてくれる。バッテリー容量は9000mAhで、45Wの急速充電に対応する。
カメラは、6400万画素のメインカメラと5000万画素の超広角カメラを背面に備え、これとは別に着脱可能なアクションカメラを備える。こちらの画素数や連続稼働時間等の詳細は明かされなかった。このカメラは、本体にあるボタンを押しながら引き出すことで着脱できるが、やや奥に収まっていることもあり、取り出しにくい印象だった。爪を設けるなどの改善に期待したい。
手のひらサイズのアクションカメラだが、性能は十分だった。実際のデモを見せてもらったところ、本体を激しく揺さぶってもブレを抑えてしっかりと記録できた。スマートフォン本体とはWi-Fi接続で通信を行い、最大100mの距離まで通信できるという。本体画面からカメラの映像を確認できたが、カメラアプリはスマホ本体とカメラで個別に用意されており、それぞれを切り替えて使う必要がある。
アクションカメラには、別途ヘルメットなどに装着できるマウンター、三脚に取り付けるアダプターなども用意するという。
説明員によると、このモジュール型アクションカメラを別の機能に組み替えることも構想しているという。例えば小型のBluetoothスピーカー、背面ディスプレイ兼スマートバンド、キャンプライトといったものが構想されており、利用者がシーンに応じて使いたいアクセサリーを選べる。かつてモトローラが提供していた外付けアクセサリー「Moto Mods」を思い起こさせる。
Xsnap 7 Proは、非常に面白いコンセプトのスマートフォンだと感じた。過去に別のメーカーがスマートバンド兼イヤフォンをスマホ本体に収めて使用できる端末を投入していたが、Xsnap 7 Proでは動画撮影に特化した「アクションカメラ」をスマートフォンに組み込んで、シーンに応じて本体から取り外して使えるようにした。その上、カメラと同じプラットフォームでさらに機能を拡張させる展望まである魅力的な「変態スマホ」だ。
RugOneが提示したこの製品は、中堅メーカーによるスマートフォンの新たな「在り方」を示すものだと考える。大手メーカーを中心にカメラをはじめとした各機能の高性能化、AI重視のソフトウェアの高機能化が進む中、調達力や資金力で劣る中堅メーカーは、アイデアやニッチ需要への対応で生き残りを図っている。
大手メーカーが手を出したがらないニッチ市場の1つが高耐久なタフネススマホだが、その中でも独自の差別化ができなければ生き残ることは難しい。Xsnap 7 Proは「着脱式アクションカメラとスマホを合体させる」というユニークなアイデアで存在感を示す意欲作。モジュールの開発も含め、今後の展開に期待したい。
著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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