廉価な新作「iPhone 17e」が春商戦に与えた影響は? 携帯電話ショップ店員に聞く:元ベテラン店員が教える「そこんとこ」(1/2 ページ)
Appleが2年連続で廉価iPhoneをモデルチェンジした。先代で課題として指摘されていたポイントをつぶしてくるなど、商品力が高まって売りやすくなったという声がある反面、キャリアの販売施策の都合で売りづらい面もあるようだ。
かねてうわさのあったiPhoneの最新廉価モデル「iPhone 17e」が3月2日に発表され、同月11日に発売された。タイミング的に、日本の携帯電話市場が1年で最もにぎわう春商戦に突如新機種が投入された格好だ。
- →「iPhone 17e」発表 A19チップ搭載、MagSafe対応、新色ソフトピンク 256GBスタートで9万9800円から
- →「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に
iPhone 17eは先代の「iPhone 16e」から直販価格を据え置きつつ、ベースモデルの内蔵ストレージを128GBから256GBに“倍増”し、プロセッサ(SoC)をiPhone 17と同じ「A19チップ」にアップグレードしている。加えて、マグネットでワイヤレス充電アダプターやアクセサリーを着脱を行える「MagSafe」にも対応している。
iPhone 16eにおいて「ここはちょっと……」とされたポイントを改善していることもあり、機能面から見た“お買い得感”は確実に増している。一方で、Androidスマートフォンの廉価モデルと比べると、高価であることには変わりない。
発売されてからの評判はどうなのか――家電量販店や併売店、キャリアショップで実際に接客している店舗スタッフ(店員)から話を聞いてみよう。なお、聞き取りは2026年2月~3月にかけて実施している。
iPhone 17eは「結構売れている」?
スペックや機能、価格を総合すると、iPhone 17eはかなり“売りやすそう”な端末だ。他機種向けのキャンペーン次第では苦戦を強いられる可能性もあるが、「新機種」「安いiPhone」という2点において販売数もそこそこ多そうな予想は付く。タイミングが合えば、筆者も真っ先に買っていたかもしれない。
実際に店舗スタッフに話を聞くと、「iPhone 17eは好調な売れ行きだ」という声が複数あった。
iPhone 17eは、かなり売りやすいです。当店の場合、まだ「iPhone 16」やiPhone 16eの在庫もありますが、多くの場合は(割高になっても)iPhone 17eをお勧めしてしまいます。
その理由は、やっぱり価格と製品の内容です。「スマホを長く使いたい」というお客さまが年々増えていて、そうなるとより新しいチップが載った製品の方が、アップデート期間が長いはずです。ここを説明すると「じゃあ、これにします」と決まることが多いです。
やっぱり、MagSafeへの対応はお客さまから好評ですね。今は2020年の「iPhone 12」、あるいは2021年の「iPhone 13」から買い換えようとしている人が多くて、MagSafe対応のアクセサリーを既に持っている人もいます。なのでMagSafeのないiPhone 16eは勧めづらかったんですよね……。
その点、iPhone 17eはMagSafeに対応してくれたので、iPhone 12/13世代からの買い換えでお勧めしやすくて、最近はMagSafe対応のユニークなアクセサリも多いので、「長く使いたい」というお客さまも納得して買いやすいのかなと思います。
iPhone 16eと比べると、やはりiPhone 17eは店員視点では“売りやすい”端末で、ユーザー(来客)視点でも“買いやすい”と思ってもらえている様子が伺える。
iPhone 17eは「意外と売れていない」?
一方で、iPhone 17eについて「思ったよりも売れない」「売りづらい面もある」という声も複数あった。
キャリアの施策をうまく使うと、iPhone 16やiPhone 17といった(アウト)カメラが多い機種や「Dynamic Island」のある機種、要するに上位モデルを手頃に買えてしまいます。月々の支払額はiPhone 17eと数百円の差なので、「それくらいしか差が出ないなら、普通の(eのない)モデルにしよう」というお客さまも少なからずいます。
なので、販売台数としては「e」ではないモデルの方が多くなっています。
iPhone 17eが売れてないわけじゃないんですけど、「すごい売れているか?」という、そうでもありません。確かに初動は16eよりも良いのですが、いろいろなキャンペーンを考慮した結果、≪iPhone 17を買っていくお客さまの方が多いです。
単純な月々の支払いはiPhone 17eの方が安いですが、最近は「2年使って端末を返す」というスタイルの買い方が普及していることもあって、その仕組みを理解しているお客さまだと、iPhone 17eの「中身が新しいからより長く使える」という訴求が響きません。
確かに、特に家電量販店の携帯電話コーナーをよく見てみると、「Phone 17e(256GB)が月々1円!」と掲示されている近くに、「iPhone 17(256GB)が月々1円(~数百円)!」という掲示がある。2年で端末を返却するプログラムを前提にすると、見た目なども含めて“最新”と分かりやすいiPhone 17を選ぶのも納得だ。
関連記事
「iPhone 17e」発表 A19チップ搭載、MagSafe対応、新色ソフトピンク 256GBスタートで9万9800円から
AppleがA19チップを搭載した「iPhone 17e」を発表した。価格を599ドルに据え置いたまま、標準ストレージ容量を前モデルの2倍となる256GBへ引き上げた。「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に
3月11日発売の「iPhone 17e」を先行レビューする。iPhone 14ベースのボディーに最新のA19チップを搭載し、待望のMagSafe対応やストレージの256GB倍増など、10万円を切る価格ながら“実質値下げ”といえる大幅な進化を遂げている。Apple幹部が語る「iPhone 17e」投入の理由 「MacBook Neo」との連携も狙った“エコシステム総取り戦略”へ
AppleはiPhone 17eを含むエントリーモデル3機種を3月に同時発売した。これらは日本独自の商戦期や税制を強く意識した戦略的な価格と仕様を備えている。単体での訴求にとどまらず、iPad AirやMacBook Neoとの連携によるエコシステム囲い込みを狙う。「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する
「iPhone 17e」と「iPhone 17」のスペックを比較。ディスプレイはiPhone 17eの方がやや小さく、リフレッシュレートは60Hzにとどまります。MagSafeは両機種対応していますが、最大充電速度に差があります。iPhone 17eは「物理SIMカード非対応」も、eSIM対応モデルに
Appleは2026年3月11日に「iPhone 17e」を日本で発売する。本機は抜き差しが可能なSIMカードに対応せず、物理的なSIMカードの差込口を完全に廃止した。最大8つ以上のeSIMを保存でき、同時に2つの回線をアクティブにできるデュアルeSIM仕様を採用したモデルだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.