企業の情報流出が相次ぐ「BeReal」とは? Z世代が“無意識”に機密をさらす仕組みと“正社員テロ”への対抗策:いまさら聞けない(1/3 ページ)
若者を中心に流行するSNS「BeReal.」による情報漏えいが相次いでいます。「2分以内の同時撮影」という仕組みがなぜ漏えいを招くのか。Z世代の心理とアプリの特性を解き明かし、企業が「社員テロ」を防ぐために講じるべき物理的対策や教育の指針を解説します。
従業員やアルバイトのSNS投稿による情報流出が相次いでいます。西日本シティ銀行の行員が顧客の名前などが写り込んだ動画を投稿した件に続き、直近ではミスタードーナツやピザーラ、カラオケ店、建築会社、病院などで撮影したと思われる社内情報の書類や管理画面、バックヤードが写った画像が続々と拡散されています。
これらの画像や動画が投稿されたSNSは、若者に絶大な人気を誇る「BeReal.」(ビーリアル。以下、BeReal)です。BeRealは2022年に欧米で人気に火が付き、日本では2023年1月頃から若者の間で急速に普及しました。MAU(月間アクティブユーザー数)の87%以上がZ世代という、ほぼ若者しかいないSNS(2025年6月時点)であるため、「BeRealって何?」「なぜ社内情報を投稿するんだ」など、Xでは疑問が噴出しています。
そこで本記事では、BeRealが若者を引きつける理由と社内情報流出を誘因する仕組みについて解説します。
ほぼZ世代しかいないSNS「BeReal.」
Z世代が支持するBeRealのコンセプトは、その名の通り「リアルの共有」です。その魅力は、全てのユーザーが等しく“今”を共有する、独自のゲーミフィケーションにあります。
ユーザーは「BeRealタイム」の通知が来たら、2分以内に投稿するように促されます。通知は1日に1回、いつ来るのかは分かりません。ある日は早朝、ある日は夕方など、ランダムな時間に全ユーザーに通知されます。
BeRealタイムが来たら、アプリ内のカメラで撮影します。BeRealの投稿は前後カメラでほぼ同時に撮影したもの。つまり、自撮りと自分の目の前に広がる風景が撮影されます。
他のSNSのように、自分のスマホに保存している写真は投稿できません。撮りなおすとその回数も表示されるので、“(写りを気にして)日和っている”と思われないためには、一度で撮影を終わらせます。
急に通知が来るため、ある友人は散らかった自室で布団に入っていたり、ある友人はバイトに向かう道中だったりと、他のSNSには投稿しない瞬間が共有されます。
公開範囲は、自分が承認した人だけ。Z世代がよく利用しているInstagramよりも狭いクローズドな空間で、お互いの“ありのまま”を見せ合います。ただし、自分が投稿しなければ友達の投稿にはボカシがかかり、閲覧することができません。平等に自分のリアルを差し出すことが参加の条件なのです。運営元によれば、ユーザーの80%が毎日投稿する(2025年6月時点)というのは、こうした仕掛けによるものです。
いつ通知が来るのか分からない、通知が来たら2分以内に撮影しなければならない、アプリの前後カメラで同時撮影するため自分も居場所も盛れない。この仕掛けがゲーミフィケーションとなり、BeRealの面白さを生み出しているのです。
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