PayPay上場後初の決算は大幅増益、若年層が成長をけん引 26年度には「一体型カード」投入へ(1/2 ページ)
PayPayの2025年度通期決算は営業収益が前年比27%増、調整後EBITDAは89%増と大幅な成長を遂げた。米Nasdaq上場後初の発表で、決済と金融サービスの両輪が成長をけん引し、特にカード事業の躍進が目立つ。若年層の囲い込みやeKYCの義務化を推進し、今後は銀行・カードの一体型提供で利便性をさらに高める方針だ。
PayPayが5月7日、2025年通期の決算について発表した。PayPayは2026年3月12日(米国東部時間)に米国Nasdaq市場に上場を果たしており、上場後初の決算発表となる。
2025年度通期の営業収益は3806億6200万円で対前期比27%増、調整後EBITDA(利払い/税引き/減価償却前の利益)は1111億3000万円で対前期比89%増の大幅成長となった。
売上の約6割が決済手数料関連、PayPayカードは純増数トップクラスに
PayPayの営業収益のうち、59%が決済手数料を中心とした「決済セグメント」、41%がローン金利収益、有価証券運用益、送金手数料、カード金利収益(リボ、分割、キャッシング)を含む「金融サービスセグメント」が占めている。2024年度比で、決済セグメントは26%成長、金融サービスセグメントが28%成長を果たしている。
決済セグメントでは、高マージンのオンラインGMV(総流通額)と、PayPayクレジット/PayPayカードの金利収入が拡大。PayPayカード事業が軌道に乗り、2025年の純増数は国内クレジットカードで競合3社を上回り「トップクラス」に立った。PayPayカードの発行枚数は年間で22%増加し、2025年度末の発行数は1690万枚に達した。また、リボ、分割、キャッシングの金融関連残高は、年間で1000億円強増加している。
「QR決済とクレジットカード決済のシームレスに統合された優れたユーザー体験の提供と、PayPay独自のデータ使用モデル構築による信用管理の高度化によって、若年層を中心に支持されている」(PayPay 代表取締役 社長執行役員CEO 中山一郎氏)
金融サービスセグメントでは住宅ローン事業が成長しており、貸出残高は年34%の成長を果たした。PayPay銀行の口座数は1000万に、PayPay証券口座は173万に達した。また、PayPay証券は初の通期営業黒字を達成した。
10~20代のPayPay銀行口座開設が5年間で4倍に増加
PayPayは国内の金融サービスで確固たる地位を築きつつある。本人確認済みユーザー数は国内トップの4100万に上り、月間アクティブユーザーはYouTube、Google、LINEに次ぐ4位に位置する。決済回数シェアはクレジットカード26社には及ばないものの、単独の決済サービスでは20%に上る。PayPayは「国内ナンバーワンの金融プラットフォーム=データ基盤」とアピールする。
若年層に支持されるための取り組みも強化している。「PayPay U18応援プロジェクト」では、12~18歳のユーザーを対象に、おこづかいの10%増量やPayPay決済で最大2%還元などの特典を提供している。PayPay銀行は12歳から口座開設できるようにしたことで、10~20代の口座数が5年間で4倍に増加したという。
こうした施策以外にも、PayPayがスマートフォンに特化したサービスであることが、スマートフォンでさまざまなサービスを使う若年層と親和性が高く、支持につながっていると中山氏は分析する。
「PayPayの強みである若年層を広げて、彼らの成長と共にPayPayも成長していく。ここに対してもマーケティングコストを掛けて、若年層ならPayPayグループのサービスを使っているということを盤石にしたい」(中山氏)
今後の展開について中山氏は、PayPayカードとPayPay銀行を1枚のカードで利用できる一体型カードを、2026年度後半に発行する計画があることを明かす。「単に発行するだけではなく、そこに対するマーケティングも含めて投資する。これでアクティブユーザーや獲得会員数を増やせる」と期待を寄せる。
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