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KDDI松田社長、他社に料金プランを模倣されるのは「最大限の賛辞」 3社の「Starlink Direct」にも言及

KDDIの松田浩路社長は5月12日、スマートフォンと衛星が直接通信するサービスに言及。各社の動きを受け……。模倣は最大限の賛辞だと述べた。

 KDDIの松田浩路社長は、5月12日に開催した2026年3月期本決算説明会の場において、「Starlink Direct」に言及した。Starlink Directとは、スマートフォンと低軌道衛星であるStarlink衛星が直接通信する技術を用いたサービスだ。空が見える場所であれば、地上の基地局の電波が届かない圏外エリアでも通信が可能になる画期的な仕組みだ。


KDDI

 現在、国内通信各社の人口カバー率は99.9%を超えているが、日本特有の地形の影響で国土の約40%は面積カバーの対象外となっている。本サービスは、通信環境の整備が困難な山間部や島しょ部、海上の通信空白地帯を埋める役割を担う。

国内3キャリアによる戦略の差異 KDDI独自の価値とは

 提供する国内3キャリアのサービスには、それぞれ異なる特徴と戦略がある。NTTドコモが提供する「docomo Starlink Direct」は、ahamoを含む全料金プランのユーザーが、申し込み不要かつ当面無料で利用できる間口の広さが最大の特徴だ。複雑なプラン選択や切り替えを必要とせず、既存の回線のままシンプルに衛星とつながる開放戦略を、同社は明確にとっている。

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 これに対しKDDIの「au Starlink Direct」は、他社に先行して開始した運用実績を生かし、実用面での質の高さを強みとしている。現場の声に基づき海上エリアを他社の2倍となる接続水域を含む24海里まで拡大した。さらに、24時間対応のSOSセンターを新設して圏外からの救助要請をサポートする安全・救助インフラの体制を整えており、他社との差別化を図る独自価値を提供中だ。

 au Starlink Directは現時点で国内唯一の海外ローミング対応を実現しており、アメリカやカナダなど海外の圏外でも通信できる独自の価値をユーザーに提供している。auユーザーは当面無料で利用できるが、他社回線利用者の場合は専用プランの契約手続きが必要だ。このように、先行者としての利点を生かしつつ、より専門的で実用的な機能を付加しているのがKDDIの立ち位置だった。

 ソフトバンクの「SoftBank Starlink Direct」は、LINEやPayPay、Yahoo! JAPANなどの自社グループの主要アプリを即座に衛星通信に対応させた。生活インフラとしての親和性と利便性を強調しているのが特徴だ。ソフトバンクやワイモバイルの対象プラン利用者は追加料金なしで利用できるが、LINEMOやその他のプランでは2026年7月以降の有料オプション化を明言した。

「名称統一」に、プラン内容は「酷似」――松田浩路社長は「賛辞」

 無料で広めるドコモとは対照的に、ソフトバンクは月額1650円の有料化予定を打ち出すなど、持続可能なビジネスモデル構築への切り替えが早い点が特徴だ。はたから見れば、ドコモとソフトバンクがKDDIに追随し、3キャリアがそろってブランドを除く名称を統一したとも見て取れる。

 松田氏によれば、スターリンク側も衛星とスマートフォンを直接接続するサービスにおいて「Starlink Mobile」という言葉を使っているという。「Starlink Directという言葉を使いなさいという指示があるわけではないが、そこを各社がそろえてきた」と松田氏は話す。

 時系列やプランに組み込まれたサービスの構成を比較すると、ソフトバンクがKDDIの戦略を参考にしているという見方は妥当といえる。KDDIは、2025年5月の時点で「auバリューリンクプラン」を発表し、同年6月から提供を開始していた。この時点でKDDIは、データ使い放題に加えて、衛星通信のau Starlink Direct、混雑時の優先通信レーンを設けるau 5G Fast Lane、海外でのデータ使い放題であるau海外放題という3つをセットにする形を完成させている。

 2025年11月にはauじぶん銀行特典を強化した「auバリューリンク マネ活2」を発表。このプランにもau Starlink Direct、au 5G Fast Lane、au海外放題を含め、サブスクぷらすポイントとPontaパスを含む合計5つのサービスを付帯させた。


KDDIの「auバリューリンク マネ活2」

 一方、ソフトバンクが2026年4月10日に発表した新料金プラン「ペイトク2」も、衛星通信、より高速な5G通信、海外データ通信の3本柱で構成されており、KDDIのプランに酷似していた。


ソフトバンクの「ペイトク2」

 つまり、ソフトバンクの新サービスであるSoftBank Starlink Direct、Fast Access、海外データ放題の3つは、名称こそ違えどKDDIが約1年前に構築した付加価値のパッケージ構成と同じなのだ。ソフトバンクは、これらの通信サービスに加えて自社のPayPayポイント還元率アップという経済圏特典を絡めて自社らしさを出している。しかし通信面での立て付けはKDDIを参考にしたと見て取れる。

 松田氏は、「他社のことなので何をというコメントはない」と前置きしつつ、「模倣されるのは最大限の賛辞だ」と、他社の追随を好意的に受け止めているコメントを示した。


KDDIの松田浩路社長。「他社のことなので何をというコメントはない」と前置きしつつ、「模倣されるのは最大限の賛辞だ」とした

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