ニュース

新生「ドコモ・フィナンシャルグループ」本格始動 強みのドコモショップを生かし“やさしい金融”を訴求(1/2 ページ)

NTTドコモ・フィナンシャルグループが7月9日、設立に関する記者会見を開催した。発表会では、従来の金融サービスにおいて課題となっていた難しい手続きや、身近に相談できる場所がない問題を解決する、生活者目線の「やさしい金融」への取り組みを紹介した。日常の決済を起点に各サービスがシームレスに連携し、安心でおトクな金融体験を強力に推進していく構想だ。

 7月9日、NTTドコモ・フィナンシャルグループが設立に関する記者会見を開催した。NTTドコモ・フィナンシャルグループの廣井孝史社長や、各分野を担う企業の代表が登壇し、グループ設立の趣旨や概要を発表した。同グループは決済、銀行、証券、融資、保険の各分野の専門性を結集し、2026年に入り事業を開始した。


NTTドコモ・フィナンシャルグループの設立に関する記者会見を開催し、各分野を担う企業の代表が登壇して今後の展望を語った

決済や銀行ならびに証券など各分野の専門性を結集したドコモ・フィナンシャルグループの事業体制とフォーメーション

難しいお金の話が簡単になる? やさしい金融とは何か

 廣井氏はプレゼンテーションの中で、同グループが「やさしい金融を、みんなの手に。」というコーポレートビジョンを掲げることを説明した。


ドコモ・フィナンシャルグループが掲げるコーポレートビジョンには、生活者目線の金融を提供する狙いが込められている

 廣井氏が示した調査結果(※1)によれば、投資を始めた生活者のうち、自分の金融知識が平均以上だと考える人はわずか22%にとどまる。また、66%の人が専門家の意見やアドバイスを参考にしたいと考えている。一方、NTTドコモとマネックス証券が2025年8月に実施した調査(※2)によれば、NISA未利用者の約8割が身近に相談できる場所がないと回答した。

advertisement
※1:出典:イノベーション・インテリジェンス研究所『金融・資本市場リサーチ 第25号』「NRI 生活者1万人アンケートで読み解く日本人の金融行動の現在地」(NRI生活者1万人アンケート 金融編)
※2:出典:NTTドコモ・マネックス証券「NISAに関する意識調査」(2025年8月5日実施)

生活者の多くが自身の金融に関する知識に不安を感じており専門家からの信頼できるサポートやアドバイスを求めている

投資を始めていないNISA未利用者の約8割が身近に相談できる場所がないと回答しておりサポートの必要性が浮き彫りとなった

 これらの結果を踏まえ、廣井氏は「人々が資産運用に不安を抱え、信頼できるサポートを求めている」と指摘した。そこで同グループは、金融業界の発想ではなく生活者の目線に立ち、難しいお金の話を簡単にし、不安を安心に変えることを目指す。


リアルな対面サポートとデジタルテクノロジーを融合し一人一人に合ったやさしい金融を多くの方へ提供していくことを目指す

 ドコモはこれまで2004年に「おサイフケータイ」を誕生させて以来、携帯電話を財布のように使う発想を広げてきた。2005年には「iD」、2015年には「dカード」や「dポイント」、2018年には「d払い」を開始した。これらにより、ドコモはキャッシュレス決済を日常に根付かせてきた実績を持つ。


ドコモはおサイフケータイやd払いなどを通じてこれまでもキャッシュレス決済を日常に根付かせてきた実績と歴史を持っている

 現在、dカードの会員数は約1900万、d払いのユーザー数は約7500万に達する。これらの巨大な顧客基盤と同社が持つ通信や暮らしのデータが、金融サービスを展開する上での大きな強みとなる。廣井氏はこの基盤を活用し、日常の決済を起点として顧客のお金に関する行動を一気通貫で支援する体制を整えたと語った。


巨大なdポイントクラブの会員数や決済事業の成長が同グループの金融サービス展開における非常に大きな強みとなっている

ドコモが保有する通信や生活の多様なデータと1億人近い顧客基盤を今後の金融サービス提供において最大限に活用していく

日常の決済から銀行や証券での資産運用ならびに融資まで、ユーザーのお金に関する行動を一気通貫で支援する

日常の決済や銀行利用でポイント還元率がアップする仕組み

 この統合的な金融サービスによって、ユーザーは連携を通じたポイント還元の恩恵を受けられる。8月20日にはdカードと銀行の連携特典が始まる。ユーザーが「ドコモの銀行」で「dアカウント」を連携し、dカードの引き落とし口座をドコモの銀行に設定すると、街のお店でdカードのスマホ決済を利用した際の還元率がアップする。

 このドコモの銀行引落特典により、ユーザーは初年度に最大3%のdポイント還元を受けられる。さらに8月下旬以降には、これに加えてマネックス証券口座との自動入金(スイープ)設定や一定以上の積立投資を行うことで還元率がアップする「マネックス証券特典」も始まる。これらの条件を満たすことで、街中でのスマホ決済における還元率は、「dカード PLATINUM」の場合で初年度最大4.5%まで上昇する。


dカードの引き落とし口座をドコモの銀行に設定することで、街での買い物におけるdポイント還元率が初年度最大3%になる

さらにマネックス証券口座を連携させることで、還元率は初年度最大4.5%まで上昇する

 住信SBIネット銀行は8月3日から個人向け銀行サービスブランドを「ドコモの銀行」と名付ける(同日に「ドコモSMTBネット銀行」へ商号変更予定)。顧客がドコモの店舗で銀行サービスを受けられることを分かりやすく伝えるためだという。

 マネックス証券で取締役社長執行役員を務める清明祐子氏は、誰もが日常生活の延長線上で迷わず資産運用を始められる環境を提供すると語った。ユーザーはdポイントを使って100ポイントから投資を始められるため、現金を使わずに投資を体験できる。これにより、マネックス証券は投資へのハードルを下げる。

 具体的な取り組みとして清明氏は、d払いアプリ内の「かんたん資産運用」機能を挙げる。ユーザーは普段利用するd払いアプリの画面のまま、マネックス証券口座の開設から投資信託の取引までを完結できる。ユーザーは買い物のついでに楽しく資産形成を始められるという。「投資が特別なことではなく生活の一部になる未来を描く」(清明氏)そうだ。

 融資の領域を担うドコモ・ファイナンスの岡田靖社長は、スマートフォンで申し込みから借り入れまで完結する個人向けローンサービス「dスマホローン」を紹介。ドコモ・ファイナンスは同サービスを通じ、日常の急な出費をサポートするとしており、同社では融資商品開発力を生かし、顧客の幅広いニーズに応えるという。

 ドコモ・ファイナンスは住信SBIネット銀行の変動金利型住宅ローンや、全期間固定金利のフラット35を取り扱う。「同社が培ってきた営業力を生かし、顧客のライフプランに応じた最適な住宅購入をサポートする」と岡田氏は語る。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.