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スマホにStarlink…エアコンまで 熊本地震被災地に送られたガジェットまとめ

熊本県で発生した地震を受け各支援機関や企業が被災地向け支援活動を展開した。モトローラ・モビリティ・ジャパンなどは通信機器やバッテリーを現地に給付した。自衛隊や行政も衛星端末や冷房設備の輸送で避難所環境を整備した。

 熊本県で発生した地震を受け、通信事業者や家電・ガジェットメーカー、関係機関が被災地向けの支援活動を急速に展開している。通信の維持や電力の確保、避難所での環境整備に向け、スマートフォンやモバイルバッテリー、衛星通信機器、冷房設備といった多種多様なハードウェアが現場へ投入された。モバイル専門誌の視点から、熊本県被災地へ送られたガジェットおよびデジタル支援の状況をまとめる。

 被災地における通信手段の確保に向け、モトローラ・モビリティ・ジャパンはSIMフリースマートフォンの無償提供を開始した。同社は熊本県内および周辺地域で被災し、端末の破損や紛失により通信手段の確保が困難となった被災者や、復興支援活動に従事する人員を対象に、現地自治体を通じて端末を給付する。提供端末の第一弾は「moto g05」だ。moto g05はFMラジオ機能を搭載しており、有線イヤフォンをアンテナとして接続することで、モバイルネットワークが途絶した環境でも災害放送等の情報収集を行える。同社は準備が整い次第「moto g37j」の提供も予定している。


熊本地震の被災地へ無償提供されるモトローラのSIMフリースマートフォン「moto g05」本体(画像=モトローラ・モビリティ・ジャパン)

 スマートフォンの運用や避難所での情報機器の稼働において、電源の確保は最優先の課題となる。この問題に対し、周辺機器メーカー各社が即座に対応した。Anker Japanは公式Xアカウントにおいて、被災自治体に対する電力確保の支援窓口を開設した。同社は「このたびの熊本県での地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。電力の確保にお困りの自治体様、ご不安をお持ちの自治体様がいらっしゃいましたら、Ankerとして可能な限りサポートいたします。下記メールアドレスまでお問い合わせください。」と投稿し、自治体からの直接の要請に応じる姿勢を示した。

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 同じくモバイルアクセサリーを展開するUGREEN Japanも支援を開始した。同社は公式Xにおいて「【支援に関するご報告】熊本県で発生した地震を受け、UGREEN JAPANは、災害時の電源確保に関する連携協定に基づき、支援物資としてモバイルバッテリーの提供に向けた調整を進めています。提供予定の物資は、NTTドコモ災害対策室様を通じて、被災地の状況や要望に応じて届けられる予定です。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。」と発表した。災害時の電源確保に関する連携協定に基づき、NTTドコモの災害対策室を経由して被災地へモバイルバッテリーを供給する調整を進めている。

 通信インフラの復旧と避難所でのネットワーク構築に向けて、携帯キャリア各社も機材の提供を実施した。NTTドコモは災害対策機関に対して、衛星通信機器1台、衛星携帯電話7台、スマートフォン等280台、Wi-Fi機器26台を貸し出した。さらに同社は、対象エリアのユーザーに対して利用データ量上限に達しても速度制限をかけない「災害時データ無制限モード」の適用を実施した。

 KDDIおよび沖縄セルラーは、市区町村の災害対策本部や公的機関からの要請に応じ、スマートフォン17台、Wi-Fiルーター3台、Wi-Fiアクセスポイントおよび充電ボックス8か所分を貸し出した。また、熊本県庁に対して衛星インターネット機器1台、衛星携帯電話2台、スマートフォン10台を提供した。

 ソフトバンクは、熊本県内の避難所向けにWi-Fi機器8台と充電設備4台を設置し、災害対策機関へスマートフォン等63台を貸し出した。同社は移動通信サービスにおけるデータ追加購入料金の無償化措置を実施するとともに、無料公衆無線LANの「00000JAPAN」の順次開放を行った。また、営業中の一部のソフトバンクショップやワイモバイルショップ、避難所での無料Wi-Fiや無料充電サービス、無料電話サービスの提供を行った。

 楽天モバイルは、災害対策機関に対して衛星インターネット機器1台を貸し出した。あわせて、被災者を対象にSIMカード再発行手数料の無料化や支払期限の延長、店舗での受付手続きの緩和措置を実施した。

 行政および公的機関からの通信機材提供も行われた。総務省は自治体からの要請を受け、宇土市および宇城市に衛星ブロードバンド端末の「Starlink」を各1台貸与したほか、熊本県に対してStarlink2台およびポータブル電源2台を貸与した。


被災自治体や公的機関へ通信手段確保のために貸与されている衛星ブロードバンド端末「Starlink」のアンテナ部(画像はイメージ=auショップ店頭で販売されていた製品)

 避難所における環境改善を目的とした冷房設備の空輸も行われた。防衛省および自衛隊は、経済産業省をはじめとする関係省庁や自治体、民間企業と連携して確保した「スポットクーラー」約300台の緊急輸送を実施した。航空自衛隊入間基地の第2輸送航空隊に所属するC-2輸送機が、トラックで届いたクーラー300台を積載して入間基地を離陸し、熊本空港へ空輸した。熊本空港への到着後は、陸上自衛隊の西部方面輸送隊が各避難所等への輸送を担当した。

 航空自衛隊入間基地の公式Xは「熊本県で発生した地震に伴い災害派遣活動として、支援物資の輸送を行いました トラックで届いたクーラー300台をひとつひとつ丁寧に積み替え、C-2にて熊本県へ空輸しました 被災された皆様の安全と猛暑対策への力となれるように入間基地でも全力で取り組みます#航空自衛隊 #災害派遣」と投稿し、空輸活動の実施を報告した。


被災地の避難所等へ空輸されるため航空自衛隊C-2輸送機内に隙間なく積載されたスポットクーラーのダンボール群

 支援物資を受け入れる自治体側でも、避難所で使用する電化製品や機器の調達が進んでいる。熊本県八代市は企業向けの物資提供要請において、スポットクーラーや発電機、パーテーション、携帯トイレなどの避難所備品の提供を呼びかけた。北九州市が設置した「北九州市・熊本支援ステーション」においても、市民および法人からスポットクーラーや発電機、簡易ベッドなどの避難所用機材の募集を行い、八代市や氷川町などの被災地へ届ける体制を構築した。

 今回の熊本地震においては、食料や衣類の提供に加え、スマートフォン、モバイルバッテリー、ポータブル電源、衛星通信端末、スポットクーラーといったハードウェアおよび通信機能の提供が行われた。被災現場での情報遮断を防ぎ、生活環境を維持するためのガジェットと家電インフラの支援活動が実施されている。

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