激レア“完全機械式”チェキ「TTArtisan 203T」先行レビュー エモい撮影体験と、試作機ならではの不満点(2/6 ページ)
2026年春に同社のグローバルサイトでひっそりとβテスターが募集されており、何げなく応募したところ選ばれたというのが入手の経緯である。ほれ込んだ魅力も、正直うんざりした欠点も包み隠さず率直にレビューしていく。
レトロで渋いデザイン、それでいてポップなカラーリング
TTArtisan 203T最大の特徴は、完全機械式フィルムカメラであることだ。なんと電池を必要とせず、完全にギアだけで駆動する。ゆえに撮影者には、状況に合わせた絞りやシャッタースピードなどの露出調整、ピント合わせ、シャッター、そしてチェキの排出作業が求められる。
タップ1つで写真が撮れる現代とは対極にあるが、撮影体験としてなんとも心地よく、何よりノーバッテリーでカチャカチャと動く機構がエモい。
デザインも特徴的だ。チェキのカメラといえばパステルカラーでかわいらしいイメージが強いが、TTArtisan 203Tはポップなカラーリングを採用しつつも、カメラのフォルム自体はレトロそのものである。
というのも、ベースとなったカメラは、1963年に上海海鴎照相機有限公司が発売した中判フィルムカメラ「Seagull 203」だといわれているためだ。幅6cmの中判フィルムの代わりに、約62mm×46mmサイズのチェキフィルムをロード、排出する機構を魔改造して搭載したのが、このTTArtisan 203Tだ。
F3.5のガラスレンズ搭載、チェキで使えるレンズとしては最大級
ベースが中判フィルムカメラということもあり、カメラとしての基本性能も抜群だ。一般的な富士フイルム製チェキカメラは、F12.7の2群2枚プラスチックレンズを搭載している。
スマートフォンでもF1台のレンズを搭載する現代において、F12.7は非常に暗いレンズであることが分かるだろう。これは、フィルムサイズがイメージセンサーの何十倍もあるため、ピントを気にせず気軽に撮影できるようにするための設計なのだが、純粋に写真を撮る体験としての満足度は高くない。
対するTTArtisan 203Tは、F3.5の3群3枚ガラスレンズを採用している。外観からはグリーンの美しいコーティングが確認でき、カメラとしての造形もかっこいい。もちろん最大F22まで絞り込んで使うこともできる。このリッチなレンズによって、ボケを生かした表現や、夜間でもフラッシュを使わない撮影ができる。
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