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フォルダブル歴5年の筆者も驚いた「iPhone Duo」の完成度 ソフトウェアの力で再定義できるか石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

Apple初のフォルダブル「iPhone Duo」は、無段階ヒンジと質感の高いディスプレイを採用している。ソフトとハードが融合した秀逸な操作性を持つ一方、閉じたときの厚さと重量には課題が残る。さらに約36万円という日本での高価格が普及の壁となるが、フォルダブルの新たな可能性を示した。

 Apple初のフォルダブルスマホとなる「iPhone Duo」を発表してから約1週間、筆者も実機に触れる機会を得た。開くと横に長い1:1.42のディスプレイを搭載しており、動画や写真などのコンテンツを画面いっぱいに広げられる。閉じたときは縦長になるが、アスペクト比は統一しており、操作性を高めるため、アプリの操作ボタンやピクトなどを右に寄せる工夫も施されている。これまでのフォルダブルスマホになかった、Apple流の演出も心憎い。

 筆者は、サムスン電子が2021年に「Galaxy Z Fold3 5G」を日本で発売して以降、5年間、フォルダブルスマホを毎年買い続けてきた。8月にはモトローラの「razr fold」を入手し、“フォルダブル歴”は間もなく6年目に突入する。発表会でも各社の製品を触っているため、人一倍フォルダブルスマホには慣れているつもりだが、それでもiPhone Duoには、今までにない使用感と驚きがあった。


開くと横長の7.6型、閉じるとパスポートサイズの5.4型になるiPhone Duo。10月23日の発売に先立ち、実機に触れることができた

「Nano-texture」が映り込みを排除、極上の開閉感を生む自社設計ヒンジ

 まず率直に言うと、開くと横長になって写真がピタッと表示されるディスプレイの比率は、そこまでの感動はなかった。これは、8月に発売されたサムスン電子の「Galaxy Z Fold8」をしばらく使っていたためだろう。比率こそやや異なるが、どちらも写真、電子書籍、動画といったコンテンツは表示させやすく、見やすい。Appleに先駆けて発売したことで、そのお株を奪った格好だ。

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開くと横長の1:1.42になるため、4:3の写真もビシッと余白なく表示できる

 一方で、見やすさという点ではNano-texture仕上げを行っているiPhone Duoに軍配が上がる。写真を見ていただくと分かるように、映り込みが全くない。普段のスマホは、なるべく撮影に使うカメラが反射してしまわないよう、気を付けて角度を調整しながら撮っていたが、iPhone Duoではそんな工夫は一切必要なかった。

 もちろん、単に記事制作が楽になったと言いたいわけではなく、写真や動画などを見ている際に映り込みが大幅に減るため、映像に集中できる。ぱっと見で動画がきれいだと感じたのは、そのためだろう。このNano-texture仕上げは、発表にもあったようにポリマー製のカバー層に採用されているものだ。


折り目がなく、ディスプレイが真っ平らに見える

 層とうたうだけあって、ディスプレイと一体化しており、一般的なフォルダブルスマホのように、ガラスの上に保護フィルムを貼り付けたような見た目にはなっていない。さらにNano-texture仕上げで本当に全く折り目がないように見えた。Nano-textureはiPadなどで培ってきた技術だが、こうしたノウハウを応用できるのはAppleの強みといえる。

 iPhone Duoを開いてみて真っ先に感じたのが、開閉感の気持ちよさだ。これは、今まで使ってきたどのフォルダブルスマホよりも自然だ。開き始めは軽い力でスッと動いていき、途中から徐々に力がかかり、最後の方はパタンと滑らかに開ききる。文字にすると少々陳腐な印象も受けるが、単純なギアだけでは、ここまで自然な動きにはならない。


写真では表現しづらいが、ヒンジの開閉感が秀逸。ぜひ店頭でパカパカしてみてほしい

 100を超えるパーツを組み合わせて、マグネットで力のかかり方を調整したというこだわりは、こうした点に表れている。開閉がしやすく、かつその動きが気持ちいいというのは、Appleならでは。自社設計したヒンジへのこだわりは、使用感からも伝わってきた。この驚きは、むしろ今までフォルダブルスマホを使ってきた人の方が大きいはずだ。逆に初めて触る人は、これが“当たり前”と思ってしまうかもしれない。

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