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「全プラン2000円未満」で攻めるHISモバイル 30GB最安級値下げと「年4GB海外無料eSIM」の狙いMVNOに聞く(1/3 ページ)

HISモバイルが10GB以上の中容量帯を刷新した新料金プラン「自由自在3.0プラン」を発表した。最大30GB含む全プランを2000円未満に抑え、AIの比較検索での露出向上とユーザー離脱防止を狙う。年に1回海外で4GB使える無料eSIMなどの独自特典を加え、大手や他社MVNOとの差別化を図る。

※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 H.I.S.Mobileは、MVNOサービス「HISモバイル」にて、約2年ぶりとなる新料金プランを投入する。「自由自在3.0プラン」がそれだ。データ容量の区切りといった大枠は変えてないため、既存のユーザーもそのまま移行されるというが、新料金では10GB以上の中容量帯を大きく強化しているのが特徴。最大容量の30GBも含め、全てが2000円未満という金額を打ち出し、お得感を高めている。

 一方で、HISらしさにも磨きをかけた。新たに導入されるVoyeのサービスをHISモバイル向けにカスタマイズし、ユーザーには7日間/4GBのデータ通信が可能な海外用eSIMを契約者に無料で提供。楽天モバイルやY!mobile、ahamoといった大手キャリアの料金プランに対抗する。このeSIMは国内用も用意されており、ローミングで接続するため、3キャリアの回線を自由に切り替えることができる。


全プラン2000円未満に値下げし、海外で4GBを使えるeSIMを提供する、HISモバイルの「自由自在プラン3.0」

 先代となる「自由自在2.0プラン」の開始から約2年がたったHISモバイルだが、このタイミングで10GB以上の中容量帯を改定し、新料金プランとして打ち出すのにはどんな狙いや背景があったのか。HISモバイルで代表取締役社長を務める猪腰英知氏に話を聞いた。

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10GB以上が高いと推奨されないので改定を決めた

―― 今回、10GB以上の中容量の料金が大幅に下がっています。ここに改定を絞ったのはなぜでしょうか。

猪腰氏 前回の自由自在2.0プランから2年たち、Web広告からの刈り取り効率が下がってきました。仮説ですが、AIの推奨を見ても、部分的な強者は推奨されづらい。「お勧めのモバイルは?」と聞いたときに、一般的にシェアの高いキャリアの大容量プランをカバーしている必要性があるということを、この半年ほど感じていました。アフィリエイトもAIに食われまくっているので、そうなると強者一択で、大手3社ぐらいに全て持っていかれることになりがちです。

 MVNOだと、IIJmio、mineo、日本通信SIMの3択で、イオンモバイルさんなども特徴のある領域を取っています。AIを見ていると、最安値の100MBと中容量の7GBでは多少ありますが、(10GB以上が高いと)そこに入っていこうとしたときにはなかなか推奨されない。逆説的に考え、そこを改正することにしました。


H.I.S.Mobileの猪腰英知社長

―― AIに無視されてしまうということですね。

猪腰氏 AIはあくまで仮説ですが、7GBで上限まで行ってその上はどうするのかとなったときに、20GB、30GBが強くないと、だんだんとコンバージョンも下がってきてしまいます。そこでこぼれてしまい、上のプランへの入りが悪くなっていることは実際にありました。その流れを食い止めたいと導き出したのが、今回の料金です。

―― 確かに電話まで含めると、20GB、30GBで勝てるMVNOはないですね。

猪腰氏 そこが刈り取りやすいポイントです。MVNOは何だかんだ言いつつも、主要な層は低容量が多い。MMD研究所のデータを見ても、そのような事実があります。一方で、うちに来たときに上の容量の選択肢がなかったり、低容量から上に行くときにプランがなかったりすると、キャリアを変えられてしまい、苦しくなってきます。

―― 収益性はいかがですか。といっても、(HISモバイルのMVNEである)日本通信が50GBを2178円で出せているので大きな問題はなさそうですが。

猪腰氏 日本通信さんも50GBであのぐらいなら大丈夫となっています。ただ、プラン自体は被らないようにしています。

2000円を絶対に超えないようにしたかった

―― 全て2000円未満というのはなかなかインパクトがありますね。

猪腰氏 中途半端に2100円や2050円にすることはできましたが、うちのプランは2000円を絶対に超えないようにしたいという思いはありました。中途半端にやるより、「2000円は高い」と言う人のために、あえて1999円にしています。もともとそんなに収益性が高いわけではないので、それなりに苦しいのですが、中容量は数が少なく、もともと比率が高くなかった。既存ユーザーの方を値下げしてでも、今後、10GB以上の人が増えていった方がトータルのボリュームが出て優位性も出せます。


10GB、20GB、30GBの月額料金を値下げし、30GBを最安クラスの月額1999円としている

―― なるほど、もともと比率が低ければ、安くしても収益減になるより、獲得が増えるということですね。

猪腰氏 結果として網が広いのは低容量で、容量が大きいプランにはそこまで入りません。今、7GBぐらいの選択肢の中で選ばれづらくなっているので、上のプランも含めて獲得効率が上がってくれば、費用対効果も高まります。もちろん、今より30GBや20GBは増えると思いますが、全体としてここが半分以上になることはないと思っています。ただ、仮にここが3割まで上がれば、それに伴って1GBなどの低容量も大きく伸びるので、全体として原価率はそこまで高くなりません。

 これまで9年間数字を見てきましたが、こうやればこうなるということが大体見えてきました。もちろん、今回はHISの特典がHISのユーザーに刺されば30GBの比率が増える可能性はあります。また、店頭でユーザーが取れれば、いろいろな提案ができるようになるので、プランの割り振りができてバランスも取れると思います。

利用実績を集計して最適なプランを提案したい

―― 発表会では、取りあえず30GBに入っても2000円かからないという発信の仕方をしていましたが、プラン変更は簡単にできるのでしょうか。

猪腰氏 入っていただき、何GBにするというところを押すだけで翌月から適用されます。

―― さすがに自動では適用されないですよね。

猪腰氏 それはないですね。ただ、利用実績がどのぐらいで、何GB使ったかというのは出ます。セールス的に、今のプランが合ってないですよということを、AIで集計させてメールで発信するレコメンドはしたいと思っています。それでも、プラン変更をしない人は絶対にしないのですが(笑)。旧プランから変えていない人も一定数います。


まずは30GBを選んで、必要に応じて他のデータ容量に選択してもらうというスタンスだ

―― 今回は10GB以上を強化しましたが、現状で多いのは何GBでしょうか。

猪腰氏 数で言うと一番安いプランが好評で、圧倒的にMVNOらしい集客ができています。そこを除くと、1GBか7GBですね。通話が安いということもあり、キャンペーンをやるとガラケー(旧来型の携帯電話)も売れます。1GBプランでガラケーユーザーを取っているのと、7GBがそれなりに売れています。3GBと7GBだと220円差なので、7GBがいいとなるのだと思います。

―― ドコモの3G停波の影響はありましたか。

猪腰氏 ガラケーユーザーっぽい回線はちょっと伸びましたね。

―― 安さを生かし、楽天モバイルのサブ回線としての提案もされていました。実際、ローミングが段階的に終了していますが、そういった使い方はされているのでしょうか。

猪腰氏 低容量のところが伸びています。本当にそのために使っているのかというと答えは出ていませんが、楽天モバイルのローミング終了が言われたころから少しずつ盛り上がってきています。

―― 新料金プランは、店頭での販売も強化していくのでしょうか。

猪腰氏 今、代理店の営業を結構やっています。30GBが強くなることで、新規加入代理店や、もっとやりたいという事業者さんが増えるのではないでしょうか。分かりやすいプランを作ることで、代理店の強化にもなります。

 弊社の代理店はガッツリ通信だけをやっているというところよりも、副商材的にHISモバイルを使っている方々が多い。誰が勧めてもシンプルに安いと、別の事業をやりながら接点を強化できます。例えば、PC教室をやっているところが、モバイルにも来てくださいと言いやすくなり、そこから保証や保険のサービスも販売できます。新料金プランで、パートナー開拓もしやすくなると思っています。

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