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「全プラン2000円未満」で攻めるHISモバイル 30GB最安級値下げと「年4GB海外無料eSIM」の狙いMVNOに聞く(2/3 ページ)

HISモバイルが10GB以上の中容量帯を刷新した新料金プラン「自由自在3.0プラン」を発表した。最大30GB含む全プランを2000円未満に抑え、AIの比較検索での露出向上とユーザー離脱防止を狙う。年に1回海外で4GB使える無料eSIMなどの独自特典を加え、大手や他社MVNOとの差別化を図る。

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海外のデータ通信は4GBあれば大体の人が収まる

―― 一方で、特典も強化しています。海外の通信が1年に1回、4GB無料になるというのはHISらしくていいですね。これも料金改定に合わせて仕込んできたのでしょうか。

猪腰氏 料金を改定しただけだと単なる値下げで、MVNOが「値下げしました」と言っても何のインパクトもなければ、話題性もありません。HISモバイルの価値をつけるために何をしようかを考えました。前回の自由自在2.0でも、海外の何かをつけようと思っていましたが、予算などの問題もあり、現実的に難しかった。ただ、今回はデータもたまってきて、利用実績や許容範囲を元に計算ができていました。

 (日本通信の音声フルMVNOでできるようになる)ローミングを待って何もできないというのは、時間的に厳しい。楽天モバイルもY!mobileもahamoも無料プランを出しているので、どんどん優位性がなくなっています。そうした全てが合わさって、このような企画になりました。

HISモバイル
他のMVNOにはない特典として、1年に1回、15日間4GBのデータ通信を利用できる海外eSIMを提供する

―― 出張などが多いというのでなければ、海外に年何回も行く人はそこまでいないと思います。その点では、毎月2GBより、年1回、15日間で4GB使える方がうれしい人も多そうですね。

猪腰氏 旅行であれば年1回ですね。行っている人はもっと行っていますが。4GBにした一番の理由は、楽天モバイルの倍あればいいという分かりやすさですが、データにも基づいています。弊社はWi-Fiレンタルの事業も手掛けていますが、その中での実績から大体平均値が2GB台ということは分かっていました。明確に利用人数が取れているわけではありませんが、大体、2人で1台を使っています。

 そうすると1人1GBちょっとなのですが、(平均ではなく)中央値を見ると1日あたり1.5GB、1人にすると700MB強が多くなります。最近の実績を見るとそんな感じ、700MB前後に平均5日間という滞在日数をかけると3.5GBになる。4GBあれば、大体の人が収まるんじゃないかと考えています。

―― 確かに、個人的にも楽天モバイルでローミングしてると、大体、帰国のちょっと前にデータ容量がなくなってしまいます(笑)。

猪腰氏 商売としてはその方がうまいとは思いますが(笑)。2GBで足りない分を買ってもらうというのはビジネス的には理想ですが、MVNOのデメリットを払拭(ふっしょく)するためには優位性を出す必要があると考え、4GBにしました。

―― 2回目は有料になると思いますが、アプリから普通に同じプランを買えるのでしょうか。また、料金はいくらになりますか。

猪腰氏 そのままアプリから買えます。当初はアプリが間に合わないかもしれませんが、2回目はササっと買えるようになっています。今回の海外eSIMは、都度ダウンロードをしないパターンのもので、プランだけを買って上書きするだけなので利便性は高いと思います。

 販売価格については、まだ決めていません。ただ、無料になる15日間/4GBのものは周遊タイプです。そこまであちこち行く人は少ないので、2回目は国ごとのものを買ってもらうのでいいと思います。1回目の無料になるものは、ワンプランに絞り込みたかったので周遊プランにしています。

Voyeの海外eSIMはHISモバイル専用に開発している

―― この海外eSIMは、単体でも販売していくのでしょうか。現在も別の海外eSIMがありますが。

猪腰氏 こちらをメインに推していくことになります。単なる支出というより投資的な意味もあります。旅行事業者じゃない人たちがやっても何のメリットもありませんが、われわれはHISのお客さまに対する広告宣伝費にもなり、実利があります。また、最悪HISモバイルをやめてしまっても、VoyeのeSIMだけは使い続けてもらえます。

―― 国内でも使えます。

猪腰氏 eSIMは海外に着いて初めて使うことになるので、設定の間違いが起こりやすい。一方で、今回のものは日本向けの100MBプランもあります。親が海外に行くときでも、息子が日本であらかじめ設定しておくことができ、ハードルが下がります。毎回eSIMをダウンロードするものは、それができません。国内向けに100MBを出すのはバックアップの意味合いもありますが、それだけではありません。初めて使う方が渡航前に設定の確認を199円ででき、渡航後に無料の15日間/4GBでそれを上書きするためでもあります。

HISモバイル
特典の海外eSIMとは別に、1日199円から、世界各国で利用できるeSIMも提供する。日本も含まれており、国内ではドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアの回線に対応している

―― このプランは、Voyeが自社で販売しているものにはないんですよね。

猪腰氏 はい。うち専用に開発してもらったプランです。ホワイトラベルとして、プラン設計や価格設計をしています。

―― 先ほど、「ローミングを待って」というお話がありましたが、日本通信が音声フルMVNOを始めたら、ローミングにも対応していく予定でしょうか。

猪腰氏 やりたい意思はあります。そのままローミングできれば利便性も高いですからね。一方で、音声フルMVNOになった後、海外事業者の交渉を待っていると、2年後、3年後になる可能性もあります。そもそも、顧客のニーズもローミング一択ではありません。われわれ自身もWi-Fiレンタルを単独でビジネスとしてやっているので、その整備をしていく中で一緒にできればと考えています。

―― ローミングは置いておいたとしても、音声フルMVNOはやられるのでしょうか。

猪腰氏 11月のサービスインを踏まえてからですね。本格的に話をするのは、日本通信さんが始めて、実売になってどうなのかを見てからになります。決算では、HISモバイルと一緒にそういったところを取っていきたいと明記されているので、日本通信さんも優位性としてお考えになられているところだと思います。

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