2021年、FCNTのスマートフォン「arrows」が誕生から10周年を迎えました。折しも、arrowsスマホを開発/製造する富士通コネクテッドテクノロジーズも「FCNT株式会社」に社名を変更し、新たなスタートを切りました。この記念すべきタイミングで、伝説の「arrows先生」がarrowsの過去、これから、そして未来について話を聞きました。
2021年4月、富士通コネクテッドテクノロジーズが「FCNT」に社名を変更しました。新たなメッセージ「Creating New “Connects” 未だかつてない『つながり』を創造する」を掲げ、「arrows」「らくらくスマートフォン」といった端末製品を軸に据えつつ、サービスビジネスやソリューションビジネスにも注力しています。
FCNTといえば、2021年はarrowsブランドの10周年のメモリアルイヤーでもあります。そんな中、音信不通気味だった伝説の「arrows先生」から突然、ITmedia Mobile編集部の編集担当Iに連絡が入りました。聞くと、「arrowsは10周年。今までを振り返りつつ、これからの展望を聞きたい」のだそうです。
「突然の依頼で受けてもらえるかなぁ……?」と思いつつ、編集担当IはFCNTにインタビュー取材を依頼したところ、予想外にも受けてもらえることになりました。「これは良かった」と思いつつ、急きょarrows先生とFCNTの皆さんが会する場をアレンジしました。
arrowsが大文字の「ARROWS」だった頃から、約10年間arrowsを研究してきたarrows先生。FCNTの中の人たちに、一体何を聞くのでしょうか……?
19XX年生まれの自称18歳。「arrowsは、我が体の一部である」と豪語するほどの熱血教師。arrowsを含むいろいろな携帯電話/スマートフォンを長年研究する傍ら、生徒たちに携帯電話/スマートフォンを便利に使う方法を伝授している。見た目はアレだが、授業内容は至ってマジメである。
ITmedia Mobileの編集部員Iと“うり二つ”であるという指摘をよく受けるそうだが、「彼は、arrowsへの情熱を私と共有する同志」ということで、あくまでも別人である。
山田竜太郎さん FCNT株式会社 ソリューション事業本部 ビジネス推進部 部長。同社における現職に就任する前は携帯電話/スマートフォンの商品企画を担当しており、arrowsの“生き字引”の1人でもある(参考記事)。今回は、スケジュールの都合でオンライン参加となった。
arrows先生 山田さん、約3年ぶりですね。よろしくお願いいたします。
山田氏 こちらこそ、よろしくお願いいたします。
arrows先生 2021年、arrowsブランドが10周年を迎えました。2011年のブランド発足当初は「ARROWS」と全部大文字でしたよね。2015年冬モデルに全部小文字の「arrows」になったかと思うのですが、どうして大文字から小文字に変えたのでしょうか。
山田氏 大文字の「ARROWS」がデビューした当時、スマートフォンはいわゆる最新のサービス(アプリなど)を使うための「先進的なデバイス」の1つでした。先進感、特にハイスペックさを求めるお客さまに、言葉通り“刺さる”ブランドにしようということで、デビュー時は全部大文字としました。「次の時代のハイスペックスマートフォン」といったように、ブランドメッセージもそれを強く意識しています。
当時は、お客さまも含めて携帯電話やスマートフォンに求められる価値の主軸が“スペック”にありました。しかし、年数を経るにつれてお客さまの求める価値が段々と変わってきました。具体的には、スペック自体よりもスマホを使うことで得られる「体験価値」、いわゆる「UX(ユーザーエクスペリエンス)」に軸が移った感じです。
そこで、2015年冬商戦の新モデルから、ブランド名を小文字の「arrows」に変更した上で、ブランドメッセージも「人を想えば、進化は止まらない。」に改めました。従来はハイスペック推しの陰に隠れがちだった、使う人に寄り添った、便利な技術や機能のアピールに軸足を移したともいえます。「ヒューマンセントリックエンジン(HCE)」として、初期のARROWSから搭載していたものなんですけどね。
arrows先生 そういえば、いつの間にかHCEのことを聞かなくなりましたね。一体どうなってしまったんですか……?
山田氏 現行のarrowsにも搭載されている「はっきりボイス」「ゆっくりボイス」といった通話時の支援機能は、初期のARROWSから搭載されています。
初期のARROWSでは、通話支援機能、セキュリティ機能、省電力機能といった独自機能を自社開発の半導体を使って実現していました。これがまさに「HCE」だったわけですが、スマホのSoC(CPUやGPUなどを統合したチップ)やAndroid OSの進化によって独自の半導体を使わなくても弊社の目指す使い勝手を実装できるようになりました。
かつてのHCEが実現していた“人間中心”を理念とした機能は、最新のarrowsに至るまで着実に生きています。
arrows先生 FCNTにとっての「使いやすい」というのは、どのようなものを目指してきたのでしょうか。
山田氏 arrowsという製品はもちろんですが、今携わっているサービスビジネスやソリューションビジネスでも、起点はやはり「お客さま」に集約されると思っています。
私が端末の商品企画に携わり始めた頃、企画業務と並行しながら、当時の富士通の大代表電話に掛かってくる(自社の携帯電話やスマホに関する)お叱りの声を直接伺うこともしていました。「らくらくホン」の企画をしていた頃は、ショップで行われる携帯電話教室のサポートに入ることもありました。
私個人の話でもありますが、これらの経験からお客さまの視点から見て「本当に使いやすいのか?」「本当に便利なのか?」という視点は忘れないように強く意識しています。
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提供:FCNT株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2022年3月23日