モバイルIPv6【もばいるあいぴーぶいしっくす】
モバイルIPv6は,プロトコル「IPv6」のモバイル機器版であり,IPv6で画期的に増えるグローバルIPアドレスを,移動可能な携帯電話などのモバイル機器に直接持たせることで,これまで以上に多彩なサービスが受けられる技術だ。 現在のIPを使った,モバイルIP(モバイルIPv4)も既にすでに標準化(RFC 2002)が進められているが,これからIPv6の実験が各地で始めることを考えると,モバイルIPv6への期待が高まる。 そもそもIPv6とは,IP(Internet Protocol)のバージョン6という意味であり,現在利用されているIPはバージョン4である。両者の違いは,IPv4が32ビットでIPアドレスを構成するのに対し,IPv6では128ビットで構成されることだ。これにより,世界中で利用できるアドレス数が約43億個から約340澗(かん)個=3.4x10^38個にまで増える。このIPv6の登場で,NATやIPマスカレードといった,プライベートIPアドレスを活用する技術は使われなくなるともいわれている。 現在,NTTドコモのiモードは電話機に固有のIPアドレスを持たず,iモードサーバ内のファイアウォールサーバが,IPアドレスを持っている。つまりサイトへのインターネット接続は,このサーバ経由でないと行えない。電話機にIPアドレスを持たせることで,こうした経路をたどらず,例えば相手の電話に直接電話をかけての1対1の通信が可能になる。また,IPアドレスで電話をかけることもできるため,これまでの「音声」系と「ネットワーク」系の仕組みが統合されシンプルになる。 モバイルIPv6は,電車での移動時を想定した「モバイルIPv6@トレイン」と,ビル内での利用を想定した「モバイルIPv6@ビルディング」の実証実験がまもなく始まろうとしている。いずれもノキア・ジャパンが行うもので,前者は小田急電鉄と京浜急行電鉄が,後者は森ビルとの共同実験となる。
[江戸川,ITmedia] 関連記事 関連リンク Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
最新スペック搭載ゲームパソコン
最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
FEED BACK |