日本通信,DDIポケットの通信網を利用しバーチャル通信事業を開始

日本通信は8月22日,DDIポケットの大口利用者向けデータ通信サービスを利用した,バーチャルな移動体通信キャリアとしての事業を10月より開始すると発表した。

【国内記事】 2001年8月22日更新

 日本通信は8月22日,法人向けに無線通信サービスを提供する「bモバイル・データサービス」を10月1日より開始すると発表した。これはDDIポケットが先日発表した大口利用者向けのデータ通信サービス(8月10日の記事参照)を利用した事業。一般にMVNO(Mobiel Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)と呼ばれるもので,免許を受けた無線通信業者の設備を借り受け,独自のデータ通信サービスなどを付加して通信事業を行うものだ。

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三田聖ニ社長

 日本通信はDDIポケットと契約を結んで一定の帯域を借り受け,顧客企業のニーズに合わせた各種サービス提供に利用する。サービス開始当初は8Mbps(DDIポケットの月額料金は3000万円)を借り受ける。なお使用する帯域幅/通信容量は顧客との契約状況に合わせ,DDIポケットと調整を行うという。

 日本通信は従来,法人向けに提供するサービスとして「bモバイル」という名称で,管理,開発,設備,通信などの企業内システム構築を顧客企業の代わりに一括して安価に構築する事業を行っていた。今後はDDIポケットのネットワークを利用することにより,オーダーデータベースを構築してホスティングサービスを提供したり,社員にワンタイムパスワードを提供してExchange/Notesへアクセスできるようにしたりする。細かい部分は応相談で,各法人ごとに,さまざまな価格,サービス内容でネットワークサービスを行うという。

「バーチャル通信キャリア」としての自由度

 この“キャリアから通信帯域を借り受け,自社で使い回す”というサービス形態の特徴の1つは,極めてネットワークを自由に使えるということだ。なにしろ数千万円を支払ってDDIから通信容量を月極めで買い取っているわけだから,後はそれをどう使おうと自由だ。

 「通信費部分は0円に設定する。ネットワークは日本通信が管理するので,企業によっては夕方6時から10時までしかアクセスできないようにするといった設定も可能だ」(ロバート・ケリー副社長)

 つまり,「毎月いくら」の日本通信のサービスを導入する企業に対しては,通信費は無料にするということだ。ネットワークとサービスを合わせて提供する,バーチャル通信キャリアならではの価格設定だといえる。ネットワークはいったん必ず日本通信のネットを経由する方式になるので,顧客企業の社員に対し,特定の時間以外はアクセスできないよう,カスタマイズすることできるというわけだ。

 「(グループウェアのような使い方以外にも)たとえば100万台の車を盗難対策として位置情報データで管理し,盗難にあった際にその1台をネットワークから位置を割り出せるようにするにしておいて『月々いくら』,という契約形態も考えられる」(ロバート・ケリー副社長)

 通信費部分をタダにし,顧客のニーズに合わせてカスタマイズしたネットワークサービスを企業に売ることで,収益を上げる。ネットワークしか持たない通常のキャリアとは異なり,バーチャルキャリアはネットワークの付加価値として,多様なサービスを提供することができるといえそうだ。

次世代携帯のサービスはバーチャル・キャリアにおまかせ?

 今回の発表で強調されたのは,このサービスが次世代携帯電話のデータ通信を意識したものであること。今回はDDIポケットのネットワークをレンタルするかたちでのサービス提供だが,日本通信ではNTTドコモの下り384Kbpsの通信速度を実現するサービス「FOMA」においても,同様のサービス展開を考えているという。

 「今NTTドコモに対し,ネットワークをDDIポケットのように部分的に売ってくれないか聞いている。空いた通信容量を売るのは世界の流れであり,その可能性はあると思う」(中井純チーフ・テクノロジー・オフィサー)。欧州では英VirginグループのMVNOである「Virgin Mobile」など,さまざまなMVNOが存在しているという。

 日本通信はデータ通信サービスを提供する方式において,バーチャル・キャリアの存在が欠かせないと主張する。「キャリアが全てのデータ通信サービスを扱うことは不可能。客のニーズを理解し,バーチャルキャリアの立場から新しいソリューションを提供しよう,ということ」(三田社長)

 三田社長が例として挙げたのは,ゲームをハード端末で一回プレイするごとに50円,100円払う「モバイルアーケード」システム。ゲーム会社と通信キャリアの間に入って,課金システムをつくりサービスを提供するのだという。ユーザーにとっては通信費の部分は無料となり,プレイ一回につきいくら,という課金の仕方が可能。これはバーチャルキャリアらしいサービスといえるだろう。

 今後,ますます携帯電話の通信速度は高速化し,それに伴い提供できるデータ通信サービスも増える。一方で,通信キャリアはそのネットワーク通信料金の高さが普及の障害になる可能性がある(5月30日の記事参照)。

 そんな中で,バーチャル通信キャリアが自由に行えるサービス価格設定は,高速データ通信サービスを低コストで楽しむ1つの“抜け道”になる可能性がある。日本通信はこのバーチャルキャリアという業種が今後,巨大な市場になると見ており,ほかの事業者の参入をサポートしていくという。

[杉浦正武,ITmedia]

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