迷惑メールはなぜ届く?──キーワードは“名簿”

ドコモが新たな迷惑メール対策を迫られた背景には,迷惑メール送信者サイドの技術高度化がある。対抗策としてドコモが狙うのが,彼らの“名簿”の陳腐化だ。

【国内記事】 2001年11月6日更新

 NTTドコモは11月6日,同報メールの受信ブロックも含む一連の迷惑メール対策を発表した(11月6日の記事参照)。その中で,キーワードとなっている単語が“名簿”だ。

 なぜ迷惑メールは止まらないのか。そして,今回のドコモの対策はどのような効果をもたらすのか。迷惑メールがどのように送信されているのかから探っていく。

メールアドレスを変更しても迷惑メールは届く

 今回のドコモの発表で示された迷惑メールの受信件数は,ある意味驚くべき数字だった。

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 既に9割のiモードユーザーは,メールアドレスを「電話番号@docomo.ne.jp」から「任意の英数字@docomo.ne.jp」に変更している。しかしアドレス変更済みユーザーの約半数は1日1通以上の迷惑メールを受信しており,4%のユーザーは“1日21通以上”も迷惑メールを受け取っている。

 メールアドレスを変更しても迷惑メールが送られてくるのはなぜなのか。迷惑メール送信者の手口が次第に高級化してきているのが,その理由だ。

 電話番号をメールアドレスにしている場合,迷惑メール送信者は「090」から始まるランダムな数字を組み合わせて無差別にメールを送信していた。このやり方では組み合わせが少なく,高い確率でメールを送りつけることができた。電話番号の頭の数桁は通信キャリアごとに決まっており,それを利用することでさらに確度を上げることも可能だった。

 ユーザーが英数字にアドレスを変更した場合,単にランダムにアドレスを生成して送りつけても,ユーザーに届く確率は低くなる。そのため迷惑メール送信者がとった手口が“名簿の作成”だ。

 まず電話番号および英数字からランダム生成したメールアドレスに無差別に送信。たまたま正しいメールアドレスが生成されるとメールは到着し,誤ったメールアドレスは「宛て先不明」として返信される。送信したアドレスリストから,宛て先不明で送信できなかったアドレスを削除すると,実在するメールアドレスの名簿ができあがるというわけだ。

 この作業を繰り返すことで,名簿はどんどん精度が高くなっていく。「“1日に8億通”というおそるべき数の宛て先不明メールは,名簿の精度向上のために行われているのではないか」というのが,ドコモの推測だ。「最近は,名簿生成をしながら迷惑メールも送ってくるケースが増えている。(名簿も)最近は精度の高いものが出回っている」(NTTドコモiモード事業本部長の榎啓一氏)

 しかも最近では「ランダム生成に加えて,名前辞書を使って(アドレスを生成して)いるようだ」(榎氏)と,手口は高度化している。

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「迷惑メールの負荷が,メール遅延をもたらす」



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