イー・アクセスもTD-SCDMA(MC)実験、5月15日頃から
イー・アクセスは5月15日頃から、都内でTD-SCDMA(MC)の実験を開始する。アイピーモバイルとの相互干渉の恐れがあることから、本サービス展開を目指す2010〜2025MHz帯でなく、2000〜2005MHz帯で実験を行う。
イー・アクセスは5月15日頃から、都内でTD-SCDMA(MC)の実験を開始すると発表した。本サービス展開を目指す2010〜2025MHz帯でなく、2000〜2005MHz帯で実験を行う。
同社は以前からTD-SCDMA(MC)方式の採用を表明しており(2月5日の記事参照)、予備実験免許の申請も行っていた。しかし、TD-CDMA用に割り当てられると見られる2010〜2025MHz帯をめぐっては、すでにアイピーモバイルが実験を行っており(2003年10月29日の記事参照)、相互干渉するおそれがあった。
このため、イー・アクセス側は当初2000〜2005MHz帯で実験を開始し、必要なデータを揃えることとなった。「想定していた帯域を利用したかったのは事実だが、帯域が違うとはいえ、それほど重大な影響をおよぼすことはないだろう」(イー・アクセスの新規事業企画本部、諸橋知雄氏)。TD-CDMAの技術検討を行う「IMT-2000技術調査方策作業班」では、帯域が異なっても同等のデータとして扱われるという。
実験は当初、虎ノ門にあるイー・アクセス本社ビルで開始し、その後都内3局に拡大する予定。周波数帯も、当初5MHz幅で始めるが15MHzへと拡張を検討する。
設置工事が完了した後に落成検査を受け、本免許の交付を受けた後「5月15日頃から実験開始を予定する」(同社)。実験用基地局とPCカード型端末の間で、電波特性評価やスループット特性評価などを行うという。機器は既に調整されており、米国から出荷済みとなっている。
実証実験の期間は、およそ1年になる予定。一般モニターへの開放や、モニター数については「現時点で未定」とされた。
なお、会場では併せてTD-SCDMA(MC)の標準化動向(2月5日の記事参照)も明らかになった。米国のT1P1で進められていた標準化作業は「レターバロット(郵便投票)が2月に終了し、特に大きなリクエストもないと聞いている。事実上標準化は確定しており、5月会合にて最終承認される予定だ」(諸橋氏)。
T1P1での標準化が済めば、6、7月にはANSIでも標準化される見込みという。
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