巨人Vodafoneにアライアンスで対抗:欧州携帯市場の勢力図(1)(2/2 ページ)
日本で使っている端末やサービスを、そのまま海外でも使える──。こうした使い方を可能にするには、日本の通信キャリアが海外の通信オペレータとローミング契約する必要がある。欧州の通信オペレータ事情を見てみると、日本の通信キャリアとの関係も見えてくる。
アライアンスで“国境をはずす”通信オペレータ各社
TTTOはTelefonica、TIM、T-Mobile、Orangeの頭文字を取ったもので、加入者ベースで準最大手群の4社が2003年8月に結成したアライアンスだ。TTTOは今年3月末、“FreeMove”というブランド名を発表、国際ローミングの強化やマーケティング、資材調達などで提携のメリットを生かすという具体的計画を明らかにした。
TTTOの総加入者数は1億7000万人、シェアは36%に達しており、西欧市場に限定するとVodafoneの加入者数を上回る。TTTOは現在21カ国をカバーしているが、課題の一つとして英国など提供エリアがオーバーラップする点が挙げられる。これをどう解決するかにより、アライアンスの成否が別れそうだ。
一方、“starmap”というブランド名のMobile Allianceは、mmO2、ノルウェイ最大手のTelenor Mobile、オーストリアや中欧に強いOne、スペインのAmena、伊Windなどのオペレータで構成され、TTTOと比較すると弱者連合の色が濃いアライアンスといえる。カバーエリアは9カ国で加入者数は4000万。現時点で同アライアンスのカバーエリアにフランスが入っていないことや、そもそもの加入者数が少ないことも課題とされている(現在、仏のBouygues Telecomと交渉中と噂されている)。
2つのアライアンスは共に、参加各社やユーザーにメリットのある形で運営をしていくという難しい課題に直面している。1990年代後半にDeutche TelecomやFrance Telecomなどが推進したGlobalOneが失敗に終わっていることから、通信業者のアライアンスがどこまで成功するのか、関係者の目は厳しい。もし2つのアライアンスが軌道に乗れば、西欧市場には、最大手Vodafone、TTTO、Mobile Allianceの3大勢力が形成することになる。今後注目されるのが、現時点でいずれにも属していないKPNの動向だ。
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