「PDAマーケットは死につつあると思うし、いつの日か完全に死ぬだろう」──。6月3日、来日した英Symbianのデビッド・レビンCEOから、こんな言葉が飛び出した。
もともとPSION製PDAのOSとして生まれたSymbian OSだが、現在のターゲットは完全に携帯電話だ。「ソニー・エリクソンの端末(P800、P900)は、PDAの機能がすべて組み込まれていて携帯としても使える」(レビン氏)
もちろんこの発言の背景には、市場環境の変化だけではなく、Symbianのビジネス事情もあるだろう。同社の母体であり株主でもあったPSIONは、2月に株式をNokiaに売却することを発表した(2月10日の記事参照)。現在、Symbianの出資元は、ほとんどが携帯電話メーカーだ。さらにPDA向けOSの最大手であるMicrosoftは、携帯向けOSベンダーとしてSymbianの最大のライバルでもある。
ともあれ、ソニーも米国からPDAから撤退を決め(6月2日の記事参照)、PDA全体の販売台数も頭打ち。Symbianが注力するハイエンド携帯電話とは大きな差がついた(6月2日の記事参照)。PDAの死亡宣告は、遅かれ早かれ誰かが下すことになるのだろうか。
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