preminiは“2台目のオープンカー”(2/2 ページ)
小さいだけじゃない。“シンプルな携帯ライフスタイル”という世界観がpreminiの最大のアピールポイント。どんな機能も一応付いてます──という多機能端末とはひと味違う。機能の必要性を見分けられる、自分のスタイルを持った人へ向けてpreminiは開発された。ソニー・エリクソンの開発陣に話を聞いた。
独特の世界観を作り上げる
ユーザーに媚びるのではなく、常に先鋭的なユーザーに狙いを定めて市場を引っ張ってきたソニー・エリクソン。
「機能を割り切ったというつもりは全くない。(いらないものはいらないという)そういうコンセプトでやっている」。江里口氏のこの言葉からは、「こんな機能もあります」という過保護から脱却し、必要に応じて機能を選ぶ自立したユーザーに向けた端末であることが伝わってくる。
「“自分はこれだけしか使わない”ときちんと見分けられる人は、コダワリのある、自分のスタイルを持っている人。単純に機能を取るのではなく、逆に質感や世界観の部分は大事に“シンプルなライフスタイル”をサポートしていく」(江里口氏)
preminiの名称は、premier(プレミア)+mini(ミニ)から作られた。premierの部分を担うのが、アルミ合金を使ったボディを中心に、各所に散りばめられたコダワリのパーツとソフトウェアだ。
例えば、
- 充電台はない。ボディの美しさを保つため、金色の接触端子が出るのを避けた。充電はACアダプタから後端のシリアル端子に直結して行う。
- 効果音へのコダワリ。側面に設けれられたキーロックスイッチでロックを解除すると、「車のエンジンがかかる音」「ライターのジッポを開ける音」などが流れる。
- 配色。ボディのアルミの質感とのトータルコーディネートのため、バックが黒、文字が白のメニューを採用。通常とは逆の配色を使った。
- オリジナルの箱。縦長のケースはpreminiオリジナル。取扱説明書も縦長の独特の形状だ。「買って持って帰るときのワクワク感」を大事にした。
- スピーカーは16Φの大口径ダイナミックスピーカー。着メロは「世界を変えるしかないだろう」ということでクラプトンの「Chenge The World」を収録。
- ブルーのキーイルミネーション。高価な青色LEDをふんだんに搭載。「持つ喜び。世界観に徹底的にこだわった」。
「モノにこだわる人に持ってほしい。持つ喜びに浸ってほしい」──。単に小さいからではなく、シンプルだからでもなく、機械を、携帯を愛する人が積極的に選ぶ端末。それがpreminiの目指したところだ。
「車でいうと、オープン2シーター」
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
「車でいうとオープン2シーターのイメージ」──。preminiを持つライフスタイルを、津田氏はこう話す。
従来、シンプルな端末は、車で例えるなら軽自動車のイメージが強かった。機能を省いて、ついでにコストも抑えました──。安かろう悪かろうの印象が強かったのだ。
豪華絢爛の装備を持ったラグジュアリーカーや重装備の4駆がFOMAなどのハイエンド端末ならば、スタイリッシュな2人乗りのオープンカーがpremini。
機能満載のセダンを持っている人が2台目としてオープンカーを買うように、FOMA 900iを持っているユーザーが2台目としてpreminiを買うのももちろんアリだ。ドコモは1つの契約でFOMAとムーバの両方を使えるデュアルネットワークサービスを月額315円で提供している(2003年9月24日の記事参照)。“2台目”としてpreminiを使うことだって可能だ。
もちろん、機能てんこ盛りを潔しとせず「(機能の良否を)見分けられる。スタイルを持っている。こだわりをもっている」(商品企画課の江里口真朗係長)ユーザーが、1台目として買うのもいい。
関連記事
- 世界最小iモード「premini」の5つの疑問
機能を絞った69グラムのiモード端末、「premini」。小型化を実現するため、随所に工夫の跡が見られるが、キーが打ちにくくなるなどの弊害はないのだろうか? 実際に試してみた。 - 「premini」7月1日発売決定
ドコモは世界最小のiモード端末「premini」を、7月1日に全国一斉発売すると発表した。本体価格はオープンだが、1万円台半ばになる見込み。 - 世界最小69グラムのiモード端末「premini」
高級感あふれるボディを備えた世界最小のiモード端末が登場する。ソニー・エリクソン製。 - 2003年は“変身ケータイ”、今年は“ミニミニケータイ”
折りたたみ型一辺倒だった携帯電話に、変化の波が訪れている。2003年は利用シーンに合わせて形状が変わる“変身ケータイ”の年だったが、2004年は「高機能化にうんざり」な“ミニミニケータイ”が続々登場している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.