WINのためのスタンダード〜ソニー・エリクソン「W21S」(2/2 ページ)
WINの基本機能を網羅しつつ、スピーカーや液晶など基本性能を強化。これまでの流れを引き継いできたユーザーインタフェースも、ソフトキーを増やすなど基本から手を入れた。ポイントをソニー・エリクソンの開発陣に聞いた。
「UI(ユーザーインタフェース)から入った。ソフトキー2つでは足りない部分も出てきていた」(ソフトウェア開発部 第1チーム 渡邊敦央氏)
一見して分かる大きな違いは、従来2つだったソフトキーが4つに増えていることだ。「複雑な機能はワンタッチでいけるように。機能を表に出して、見て分かりやすく」と、渡邊氏は意図を説明する。
4つに増えたソフトキーが活躍するのが、特にカメラ起動時だ。上2つのソフトキーが「モード」と「シーン」に割り当てられ、簡単に撮影サイズやシーンを切り替えられるようになった。「シーンセレクション」はW21Sのカメラ機能の中でも特に重視されたものだ。「ビーチ&スノー」「人物」「パーティ」「夜景」「風景」「スポーツ」の6種類が用意され、静止画だけでなく動画撮影時も機能する。
もっともカメラ自体は130万画素CCDを使いオートフォーカス機能も付いていない。マクロ切り替えスイッチを備えQRコードの読み取りは可能だ。
スケジュール機能も大幅な強化が図られた点だ。「文字でスケジュールを追うのではなく、視覚的に分かるようにしたかった」と大澤氏。
そしてUI上、最も手が入ったのがメインメニューだ。「PSXのような──」と表現されることの多いクロスメニューは、これまでにないメニューの提案でもある。「WINならではのメニューに、簡単にアクセスしてもらいたい。奇をてらったわけではない」(大澤氏)。
派手なスペックではないが……
W21Sを総括すれば、BREW対応のWIN端末ならではの機能を余すことなく盛り込んだ携帯電話だといえる。それぞれについて、担当者が細かな点までこだわりを見せた。「派手なスペックではないが、作り込みには気を使っている」と大澤氏。
暗いところでダイヤルキーを照らす照明の明るさまで変更できるあたりに、作り込みの凝りようが分かる。ユーザーの利用方法に合わせて、少しでも消費電力を減らそうという工夫だ。
一見オーソドックスに見えるボディも、アンテナを内蔵してすっきりと仕上げている。WIN端末では、CDMA 1Xと違い、2つのアンテナを持つダイバーシティ受信が基本となっている(2月13日の記事参照)。少しでも感度を上げたほうが通信速度が上がり、電波を有効利用できるからだ。W21Sは2つのアンテナを本体側の先端と後端に内蔵している。「ホイップアンテナはもう考えられない」(勝田氏)というほど、デザインは重視した。
一緒に発表されたW21SAと比べると、独自の“とがった機能”は特にない。しかしスピーカーや液晶といった基本となる性能をブラッシュアップし、電子コンパス付きEZナビウォーク、EZチャンネル、大容量BREWなど、WINの基本機能はしっかり押さえられている。
そしてメニュー周りやスケジューラ、ソニー・エリクソン端末のアイデンティティともいえるPOBoxなどに改良が施されたことが大きなポイントだ。CPUパワーの向上によって、EZwebの閲覧時もジョグの動きにスクロールが付いてくる。各機能の底上げを図った新世代の端末だといえるだろう。
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