アテネで、V801SAの国際ローミングを試す:オリンピック奮戦記(前編)
日本選手のメダルラッシュが続くアテネオリンピック。その熱気あふれるアテネで、VGS端末と現地端末を使い比べてみた。VGSのユーザーインタフェースに驚き、現地端末の使い勝手に苦戦する体当たりレポート、まずは前編から――。
日本選手のメダルラッシュが続くアテネオリンピック。その熱気あふれるアテネに、ボーダフォンのVGS(Vodafone Global Standard)端末を持って出かけてみた。“現地端末”も試したので、双方のメリット・デメリットなどをリポートしよう。
海外で使える携帯を新宿で1円にてゲット
今回、アテネまで携帯を持っていくきっかけになったのは、アテネオリンピックで現地の人々と写メールを撮り、それをBlogにアップしようという企画「サポーターズ・プロジェクト」である。これによって、世界中に友達をつくろうという主旨だ。
プロジェクトのために、どんな携帯を用意するか。最初、筆者は携帯電話も現地調達でOKと考えていたのだが、アテネに着いてすぐに携帯を使えないと困るので、日本からボーダフォンの3G端末を持っていくことにした。そこで、新宿のカメラ店をのぞくと、型落ちだからなのか「V801SA」(右写真)が1円で販売されている。カメラの解像度も33万画素と、Blogに使うには十分なので、迷わず購入した。
携帯を手に入れたら、あとはアテネへ向かうのみ。筆者は成田空港を8月6日に出発し、同日夜にウィーンに到着。ここからは列車での移動となるため、まずウィーン市内でV801SAが使えるかどうかチェックしてみることにした。
V801SAを海外で使う場合、その地域で使う携帯事業者をまず設定する。ヨーロッパの場合、エリア選択で「海外(GSM圏内)」を選ぶと、現地でサービスしているGSM携帯事業者の名前がリストアップされるので、そこで使いたい事業者を選べば設定は完了だ。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
事業者が設定できたら、あとは国内で使うのとほとんど同じ感覚で電話、メール、Webを利用できるようになる。日本国内へ電話をかけるときは、国番号を付ける必要があるが、この設定もメニューから簡単に操作できるようになっている。
日本で使っているWebメニューがそのまま
そこで、まずボーダフォンWebを表示させてみると、東京で見ていたものと同じメニューが登場。メニューリストの下の「関東版メニュー」までそのまま表示されている。もちろん、利用登録したコンテンツも普通に利用できるし、海外から新規コンテンツの利用登録もそのままできてしまう。
(左)V801SAの時計は、海外で利用していても日本時間のほうが大きく表示される。日本へ電話をするのがメインなら、この表示のほうがありがたい(右)ボーダフォンライブ!メニュー。「関東版メニュー」がそのまま表示されている
海外で使うのなら、現地版のメニューが表示できたほうが便利じゃないの? と筆者自身は思うのだが、日本語の情報が乏しい海外では、母国語での情報がありがたいのも事実。ホームページには、海外各地の観光スポットや市内交通情報、お天気情報などを集めた「海外便利サイト特集」というメニューも用意されている。もちろん、写メールやムービー写メールも日本にいるときと同様に使える。筆者がウィーンから試しに送ったサポーターズ・プロジェクトの写真も、バッチリMoblogのシステムでBlogへアップできていた。
その後ウイーンから列車でブダペスト、ベオグラードなどを経由して、8月10日にギリシャへと入国。先ほどの手順と同じようにして、携帯キャリアの変更を行う。ちなみにギリシャの事業者は、最大手のCOSMOTEとボーダフォン系列のVodafone Panafone、そしてTIMの3社がしのぎを削る状況で、V801SAのローミングは3社ともに対応する仕組みになっている。とはいえ、ボーダフォンライブ!が使えるのはVodafone Panafoneだけなので、事業者にはここを選択する。
V801SAで写真やメッセージをBlogにアップロード中のひとコマ。オリンピック会場から、ライブで情報を送信できるのはありがたかった。なお、V801SAを操作しているのは今回のサポーターズ・プロジェクトの相棒・ジュンハシモトだ
現地端末の誘惑が……
こうして、アテネでの携帯設定も無事終わり、メッセージや写真をBlog向けに送っていた。しかしそのうち、筆者も送信コストの高さが気になってきた。V801SAで普通にアテネからメールを送った場合、最低でも1通あたり100円で、日本にいるときの数倍かかってしまう。一方、現地のCOSMOTEを使うと、高いといわれるプリペイド式でも1通あたり0.37ユーロ(1ユーロ=約130円)で、容量による割増料金もない。というわけで、大量にメールをやりとりするなら、現地で携帯を手に入れたほうがはるかに得なのである。
そこで、筆者も現地の携帯を利用したいと考えてショップを回り始めたのだが、ここから目的の端末を入手するまで、予想以上に苦戦することとなる。(後編につづく)
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