魅惑の多機能、サイドキー配置に不満も? 〜W21SA(3/3 ページ)
AF+2メガピクセルカメラ、電子コンパス+EZナビウォーク、BREW対応、FMラジオ内蔵と多機能なWIN端末「W21SA」が登場した。auの現状におけるフルスペック+αの機能を備え、従来の「必ず何かが欠けていた」WIN端末を脱却した、注目の製品だ。
録音も可能になったFMラジオ機能
三洋製端末の特徴であるFMラジオ機能は録音機能が追加された。3GPP(3g2形式)の音声フォーマットを利用しており、W21SA自身で再生が可能なほか、PCでもQuickTimeなどを利用すると再生できる。音楽を録音するとくぐもった感じになるが、オンエア中にちょっと気になった曲を録音するといった程度には十分活用できる。
アンテナは付属のステレオイヤホンが兼ねる点は、A5505SAと変わらない。スピーカーで聴くこともできるが、事実上ステレオイヤホンは必須。付属のステレオイヤホンは結構ケーブルが長めでかさ張るので、できればコンパクトなアンテナモジュールなどがあれば、机上でスピーカー再生でラジオとして使う場合などは便利そうなのだが。
FMラジオでオンエア中の曲の着うたを検索するといった機能(8月31日の記事参照)もあり、携帯とラジオが有機的に結合している。欲をいえば、端末側がシリコンオーディオプレイヤー機能を備えており、「着うた」を超える音楽配信サービスと連動してくれればとも思う。パケット定額のWIN端末なら十分現実的だろう。
アドレス帳、Eメールなど基本的使い勝手も上々
W21SAはソフトウェア的にはA5505SAを継承した部分が多い。アドレス帳やメールなどの使い勝手は、A5505SAのレビューも参考にしてほしい。
アドレス帳の使い勝手は非常によい。特に便利なのは時短検索で、例えば「ゴトウ」さんを検索するなら、待受け画面で「2」(か)を長押しする。これで「か行」の一覧が表示され、さらに押し続けると「き」「く」「け」「こ」の先頭に移動する。「こ」の先頭で一度「2」を押すのをやめ、さらに「2」を短押しすれば一覧を1行ずつ進む。つまり十字キーすら操作することなく、素早く目的の相手を呼び出せる。
時短検索では頻度順一覧も可能で、こちらも「あ行」「か行」といった一覧の中で頻度順表示ができる。ある程度決まった相手との通話をこなした後は、日常的に頻度順一覧を利用するのもありだろう。
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発着信履歴とEメールの連携も高度。発着信履歴からアドレス帳連動でEメールを送信できるし、Eメール送受信履歴から音声発信もできる。Eメール自体からのアドレス帳連動の音声発信はサポートしないが、連携機能としては十分満足できる。複数の電話番号やEメールアドレスが登録されている場合選択することもできる。
Eメールはau標準仕様といえるメールアドレス(フル)、ドメイン名に加えて、件名の部分一致での自動振り分けも可能。メーリングリストの振り分けにも対応しており、メールを引用して条件設定できる。再振分けもサポートするので既に受信済みのメールも振分けできる。PCへのメールを転送しているといった人でも不便を感じない仕様だ。
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便利なフロントディスプレイ、さらなる作りこみに期待
W21SAの大きな特徴であるフロントディスプレイは、サイドキーとして6つのボタンを配置することで制限の少ない使い勝手を実現している。A5502Kのようにフロントディスプレイ(ターンスタイル)向けにソフトウェアを完全に合わせこむのも1つの方法だが、W21SAのアプローチも決して悪くない。
もっとも、ディスプレイを開いた状態での操作性がよい事もあり、比較してしまうとフロントディスプレイでの操作性はやはり不満が残る。不在着信や新着メールの確認程度ならいいが、左右ボタン操作も頻繁に伴う、例えばEZWebの利用ではサイドキー操作がかなりかったるい。次期モデルではサイドキーのレイアウトやソフトウェアの更なる合わせこみに大いに期待したい。
フロントディスプレイという特徴を除いても、W21SAは十分多機能で操作性も良好。機能的に1X端末に見劣りする部分もほとんどなくなり、単なる「多機能な折りたたみ」タイプとして扱っても悪くない。139グラムと重量級な点は少々気になるが、1Xの多機能端末からの買い換えでも不満の出ない端末に仕上がっていることは間違いないだろう。
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