市場成熟期の切り札になるか〜ドコモのコンセプト端末:CEATEC JAPAN 2004
市場が飽和する中、ユーザーの端末選びが変化している。横並びの機能はいらない、自分に必要なものがあればいい──。そんなニーズに応えるのがドコモのコンセプト端末だ。
携帯市場が成熟期を迎えた今、ユーザー志向は多様化し始めている。これまで、機能を軸にしたラインアップを展開してきたドコモが、新機軸として打ち出そうというのが“生活スタイルに合わせて選べる”コンセプト端末だ。CEATECのドコモブースで行われたプレゼンテーションに、プロダクト部第二商品企画担当部長の徳弘徳人が登場。その位置付けを説明した。
コンセプト端末の定義は、「基本機能以外に特徴がある」こと。らくらくホンや、GEOFREE(2002年7月の記事参照)、preminiなど、利用シーンに合わせて選べる端末がこれに当てはまる。そして、多様化するユーザーニーズを捉えるための切り札としてドコモが選んだのが、コンセプト端末だ。
発表されたのは、4モデル。小型化を追求した「premini-S」、薄さを極めた「prosolid」、音楽にフォーカスした「Music PORTER」、可愛さをアピールする「Lechiffon」だ(10月4日の記事参照)。
これまでの端末は機能が横並びで、使わない機能が付いていてもユーザーに選択肢はなかった。ドコモはコンセプト端末を拡充することで、端末選びの幅を広げたい考えだ。
ただし、マス向けに開発する90xシリーズや50xシリーズ、25xシリーズに比べると販売目標は控えめで、4端末でそれぞれ数十万台の販売を目指す。preminiの販売台数が現段階で「20万台を超えた」(徳広氏)と、一定の成果は上げているが、爆発的なヒットを狙うシリーズではないようだ。
なぜムーバなのか
FOMAへの本格移行が進む中、コンセプトモデルはなぜムーバなのか。これは、開発期間やコストによるところが大きいと徳広氏。ムーバは技術が成熟しているため、小型軽量化や付加価値となる機能を入れるにあたっては、(FOMAに比べて)開発コストも安く、開発期間も短くてすむ。「多面的な端末開発をするうえでは、ムーバのほうがやりやすい」(徳広氏)。
気になる端末価格は、premini-Sとprosolidが1万円台、Music PORTERとLechiffonが2万円台になる見込みだ。
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