アナログTVで先行、1セグで遅れるボーダフォンの真意:地デジ+モバイルが生み出す世界(最終回)(2/2 ページ)
いち早く携帯へアナログテレビチューナーを搭載したボーダフォン。1セグ放送開始を前に、どんな意図と戦略があったのだろうか。
製品発売後の調査では、当初の見込み通り、購入者の約6〜7割が男性ビジネスマンという結果。また、テレビ機能がほしくて購入したというユーザーが6〜7割を占めた。横田氏は「携帯電話の“オマケ”として、テレビ機能を選択するユーザーが確かに存在することを実証できた」と手ごたえを感じている。
テレビを搭載したからといって、携帯電話の基本機能には影響がないよう、細心の注意が払われた。といっても「リリース前の正直な心境としては、テレビの画質や消費電力などについて、クレームが殺到したり返品が相次いだりするのではと不安もよぎった」と横田氏。
実際は、量販店や直営店での説明を徹底したこともあり、ユーザーの理解と支持を得ることができたという。
1セグ放送は検証中
テレビ対応に関する今後の取り組みについて、横田氏は「テレビケータイという1つの分野で、連続性をキープしながらも進化させたモデルを投入し、テレビ視聴意向が高いユーザーを引き続きフォローしていきたい」と話す。
延長線上には、当然1セグ放送への対応も見据えられているようだ。「デジタル放送では画質も向上し、データ放送という魅力的なサービスも増える。これらのメリットを上手く打ち出して、新たなユーザーを取り込めるようなシナリオを描くことが今後の課題」。
ドコモやKDDIが対応端末の試作機を発表する中、ボーダフォンは1セグ放送関連の話題が少ないようにも思える。しかし同社でも、端末メーカーと共に1セグ放送の検証が並行して進められている。
同社では技術的な側面よりも、ビジネスモデルの検証に注力しているとのこと。「これまでのアナログテレビチューナー搭載モデルでは、放送と通信が融合する部分が少なかった。しかし1セグ放送対応では、双方向の通信が発生する。そこで、われわれの本業(の強み)を発揮することができるし、新たな収入源となるビジネスモデルを生み出すチャンス」。
ただし、同社広報部の説明では、「まだ、ボーダフォンとして1セグ放送対応を行うかは決まっていない」と補足している。
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