ドコモは10月29日の中間決算会見で、2005年に投入を予定している普及版FOMAが700iシリーズであることを明かした。700iの投入は「遅くとも4月、5月」(CEATEC JAPANで講演した中村氏)。「FOMAの基本機能は持っているが、900iの機能をそぎ落として廉価にしたもの」としている。
「900i系は、50x系に比べて(端末調達価格が)1万円ほど高い。早く700系──FOMAの普及端末を出さなくてはならない」(ドコモ社長の中村維夫氏)
FOMA端末は調達コストが高く、さらに販売時に販売インセンティブ(コミッション、代理店手数料)をPDCよりも1万円ほど多く支払っている。FOMAへの移行が進む中で、FOMAが売れれば売れるほど収益が減少する理由はここにある。
ドコモは販売インセンティブを減らしていく方向で考えているが、「大きなところは調達価格」(中村氏)。700iシリーズを投入することで、FOMA移行時のコストを抑える計画だ。
ドコモは年末に「901iシリーズ」を投入予定。2005年度は、「901iSシリーズ」のほか、「700iシリーズ」、Motorolaが提供予定の「ビジネスコンシューマ向けFOMA」、そしてW-CDMAの進化形である「HSDPA対応端末」をリリースする予定になっている。
なお、2004年度の設備投資額をドコモは上方修正した。当初の7960億円を590億円増やし、8550億円としている。これはトラフィック増に対応するためのネットワーク容量増大のためで、HSDPA設備代は含まれていない。2004年度の段階では、HSDPA関連費用は研究開発費となっているという。
関連記事
- ドコモ、通期売上下方修正〜割引拡大響く
ドコモが通期の売上を1000億円下方修正。ただしコスト削減により営業利益は予定を維持する。140万加入に達したパケ・ホーダイなど割引策の予想以上の加入が理由。FOMA期末加入目標は1080万に上方修正。 - FOMA普及モデル導入も〜2004年後半ロードマップ
今後、無線LAN内蔵の「N900iL」、GSMとのデュアル端末「900iG」に続き、年末にはiモードFeliCa対応の「901iシリーズ」が投入される。2005年に入ると、FOMA普及モデル、「901iSシリーズ」、そしてHSDPA対応サービスが提供される予定。 - MotorolaがFOMAを開発〜無線LAN内蔵、GSM/GPRSに対応
ドコモは、ビジネスコンシューマー向けFOMA端末の共同開発について米Motorolaと合意したと発表した。GSM/GPRSに対応、無線LAN機能を備えた端末を2005年春の販売を目指して開発する。ただしiモードへは対応しない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.