携帯向けFlash放送?〜「Flash Cast」って何だ:MAX 2004(1/2 ページ)
米国で開催中の「MAX 2004」で、携帯関連の新機能Flash Castが話題を呼んでいる。Flashコンテンツのプッシュ配信サービスで、日本では2005年にも開始される可能性がある。
携帯に、Flashコンテンツをプッシュ配信する。各コンテンツは“チャンネル”の形式をとっており、テレビ番組を替えるように切り替え可能――。Macromediaが提供を予定するFlash Castは、そんなサービスだ。
これまでもデモサービスが断片的に公開されたことはあったが(7月12日の記事参照)、その全貌は謎に包まれていた。米ニューオーリンズで開催中の「MAX 2004」で、初めて全体像が見えてきた。MacromediaのMobile and Deviceチームを統括する、ユハ・クリステンセン氏に話を聞いた。
CATVに例えられるサービス
まずは、下写真を見てもらうのが分かりやすい。縦にいくつか文字列が並んでいるが、それぞれがFlash Castの「チャンネル」を構成している。ニュース、天気予報など各種チャンネルが用意される予定で、携帯の左右キーを押すと、隣のチャンネルに移動できる。さながら「携帯をテレビのリモコンのように操作」して、チャンネルをザッピングできるわけだ。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
各コンテンツは、コンテンツプロバイダによって独立して運営される。ユーザーは10〜15チャンネルからなる“基本パッケージ”に月額料金を払って加入した上、好みに応じてプレミアムチャンネルを選択、加入することになる。
「(スカパー!のような)CATVに例えられるサービス。基本料金は月額300〜500円で、プレミアムコンテンツはそれぞれ月額50円〜200円程度になるだろう」(ユハ氏)。
例えば株価情報コンテンツでシンプルに市況を伝えるコースなら安価だが、「どの銘柄が買いか」といったアドバイス情報を含むと高くなる……といった料金設定も考えられるという。ユハ氏はまた、PPV(ペイパービュー)のコンテンツもあり得るとコメントした。
技術上の特徴の1つは、Flashベースのコンテンツであることだ。このため全体に動作が軽く、チャンネル切り替えなどが極めてスムーズだ。もう1つ重要なのが、情報をサーバサイドでプッシュ配信していること。このため、常にアップデートされた情報を提供できる。
Flash Lite 1.1ベースのクライアントと、対応するサーバを連動させて情報を配信し、端末内にキャッシュとして保存する仕組み。新たな情報を配信する際は、差分だけを取得すればよい。
「どのくらいのタイミングで情報を更新するかは、コンテンツによって異なる。天気予報のコンテンツなら1日おきかもしれないし、株価情報なら1時間ごとかもしれない」
更新の際のトランザクションは、これもコンテンツによるが数キロバイトのファイルをやりとりするだけで済むという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.