第2回 「ケータイShoin3」搭載、SH506iCの文字入力を探る:効率よいメール入力を考える(3/3 ページ)
「書院」ワープロの流れを汲む“ケータイShoin3”は、さまざまな変換機能を備えた日本語入力ソフトだ。その日本語入力の実力を、POBoxやATOK+APOT、T9といったライバルと比較してみよう。
ケータイShoinの今後は?
ケータイShoin3は、総合的な使いやすさではPOBoxやATOK+APOT、T9にあと一歩及ばないというのが正直な感想だ。いささか辛口のレビューになってしまったが、予測変換もワンタッチ変換も技術としてはまだまだ発展途上。
しかしこういうチャレンジャーな姿勢は好ましいではないか。進化の方向は決して間違っていないのだから、シャープの技術陣にはいっそうの改善を期待したい。
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その他の入力機能
冒頭で紹介したように、SH506iCのケータイShoin3にはほかにもさまざまな機能が用意されている。それぞれについて簡単に触れておこう。
・推測頭出し変換
推測頭出し変換は1文字入力して「↑」を押すと、その行の文字で始まる単語やフレーズを適当に選んで表示してくれる機能だ。表示される候補は時刻によって変化する。「あ」で「いえーい!!!」、「か」で「きゃ〜♪」が出てくるなど、目の付けどころはシャープを通り越して、もはやシュール。真面目に使えるような機能ではないが、シャープは文字入力でもユーザーに遊んでほしいのだろう。
・人名優先変換
アドレス帳の名字を入力する画面では、名字の変換候補が先頭に表示される。よいアイデアだが、これが有効なのは近似予測変換だけであり、ワンタッチ変換からは利用できない。
・絵文字簡単入力
入力中の文字がないときに左ソフトキーを押すと絵文字や全角・半角記号の一覧が表示される。連続入力や最近使った文字の再入力にも対応している。
・音訓変換と英数カナ変換
かなを入力して左ソフトキーを押すと、その読みを音または訓としてもつ漢字の一覧が表示され、単漢字入力が可能になる。右ソフトキーでは入力されたキーに対応する英数字やカナが表示される。「111」を入力するためには「あああ」を入力しなければならない。
・UNDO(やり直し)機能
入力中の文字がないときに終話キーを押すと、誤って消してしまった文字を3回までさかのぼって元に戻してくれる。クリアキーの長押しですべての入力を消してしまった場合にも有効だ。きわめて便利なので、他社にもぜひ採用してほしい機能といえる。なお、文字入力中に終話キーを押すと、「う」→「い」のように読みを1つ戻す。
ほかにもダウンロード辞書や2タッチ(ポケベル入力)方式のサポートなど、日本語入力関係の機能は盛りだくさんである。シャープはどんな機能ももらさず採用しようとしているかのようだ。
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