100万画素クラスのカメラとして十分な仕上がり〜「SH700i」:ケータイカメラ画質研究ラボ(1/3 ページ)
底面のカメラを10度傾けて設置した「10°Slant Camera」が特徴の「SH700i」。バランスの取れたきれいな画質だが、被写体までの距離の取り方には若干の慣れが必要だ。
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「SH700i」(2月2日の記事参照)は130万画素CCDのパンフォーカスカメラを搭載したFOMA端末で、それほど凝ったカメラ機能はない。しかしコストをかけなくても、“ちょっとした工夫”でカメラを使いやすくできることを示してくれた。そこが面白い点だ。
何の変哲もない折りたたみ式の端末のSH700iは、底面にカメラ装備しているが、カメラの付いている角度が少し違う。普通はフラットな底面の端にレンズが付いているだけだが、SH700iは底面の一部が少し分厚くなっており、10度だけ角度を付けてレンズを装着したのである。これを「10°Slant Camera」と呼んでいる。
実のところ、底面にカメラが付いている端末は使いづらかった。普通、端末のディスプレイ部は180度までは開かず、170度くらいで止まる。そうすると、レンズの方向と液晶モニタの方向が10度ずれる。このままカメラを正面に向けると斜めから液晶モニタを見ることになり、いささか使いづらいのだ。
“10度の微妙な傾き”がポイント
10度傾けてカメラを装備したSH700iは、開いたときのメイン液晶とレンズの角度が同じになる。これだけで自然な態勢で撮影できるようになる。背面にカメラをつけた機種なら問題なかったわけだが、そうするとトップヘビーになりがちで、それはそれで善し悪しだったのだ。
カメラは126万画素CCDで単焦点のパンフォーカス。レンズの周りに鏡状のドーナツ型リングがある。これは自分撮り用の鏡になってなかなか便利。レンズ周りに鏡がついてるので、ここに顔を写せば、確実に正面から自分撮りできる。この鏡状ドーナツの周りにマクロ切り替えスイッチがある。
「SH901iC」(2004年12月の記事参照)のような回転2軸ボディではなく、スタンダードな折りたたみスタイル。その分小型軽量サイズにおさまっている。メイン液晶はモバイルASV液晶のQVGAだ(用語参照)。
カメラは方向キーの右上にあるカメラキーで起動。起動時間も高速だ。SH700iは、小さなサイズもフルサイズも全て縦位置で撮影する。そのため960×1280ピクセルの縦長画像を撮れる。
ファインダーの上部には時刻や電波の強さ、撮影モードなどの情報が、下部にはソフトキーのメニューが表示されるため、ファインダーとして使えるのは正方形に近いサイズになる。上下がトリミングされた状態で表示されるわけだ。これはカメラとしてよくない仕様。構図に凝りたいときはviewボタンを押して全画面モードに変えよう。
撮影できる画像サイズは、アイコン用の76×76ピクセルからCIFまでの5つに加え、VGAと960×1280ピクセル画像の撮影に対応する(このサイズには「最大」と名前が付いているが、これはちょっと工夫がなさすぎる気が……)。
撮影機能はシンプルで、シャープならではのピクチャーライト色の変更や明るさ変更、簡単なシーンモードのみ。基本的にはフルオートで使うカメラだ。
シャープらしく各ダイヤルキーに機能が割り当てられており、数字キーを押すとさまざまな機能を呼び出せる。それをカスタマイズできるのも便利な点だ。よく使う機能は押しやすい位置に割り当てるのがいいだろう。
SH系の端末で心配なのは画像の保存にかかる時間。従来機種は最高画質で撮ると10秒以上かかっていたが、SH700iは最大サイズの最高画質でminiSDカードに記録した場合でも、撮影から保存完了まで約6秒だった。これならストレスなく気軽に使えるだろう。
屋外編
屋外の作例は、黄色い象のすべり台から見ていこう。比較用として、カシオ計算機の「EXILIM S20」で同等画像サイズで撮影した作例も用意した。
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SH700iはすごくいい色が出ている。青空をバックにした枯れ枝など輝度差が大きく細かい被写体が怪しげではあるが、全体のバランスはいい。100万画素クラスの携帯としては十分な出来だ。
撮影情報がきちんと書き込まれているのもいい。1/1000秒F2.8である。
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