ドコモの新ISPサービス「mopera U」の真意は?(2/2 ページ)
ドコモはFOMA向けISP「mopera U」を発表した。PHS向けとして縮小傾向にある「mopera」のFOMA版だが、これによりドコモの“固定市場への進出”も視野に入ってきた。
まず利用エリアについては、FOMAの電波が届くエリアで問題なく使える。ブロードバンドの世界では、たとえばADSLの場合「電話線」を通じて各ISPがサービスを提供する。これと同様に、ドコモのサービスでは「FOMAの電波」を通じて各ISPがサービス提供する――とイメージすると分かりやすい。
やや問題なのは、mopera U以外ではメールを自動受信できないこと。ほかのISPでは前述の擬似プッシュ配信の仕組みが使えないため、ユーザーは「センター問い合わせ」をしない限りメールを受信しないという利用スタイルになる。
また、M1000を購入したユーザーならmopera UのISP設定は付属ユーティリティで簡単に行える。ほかのISP設定では、手動で行う必要がある。
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固定向けISP事業者と競合する?
mopera Uの特徴は、FOMA以外にも「フレッツ・ADSL」「Bフレッツ」「公衆無線LANサービス」からも接続できる点だ(下図参照)。
これが何を意味するのか。M1000ユーザーにすれば、無線エリアではFOMA/無線LANのサービスを利用する。しかし「せっかくmopera UのISP契約を持っているのだから、固定のISPもmopera Uで統一してみようか」という意識が働く。たとえばアクセス回線はフレッツ・ADSL、ISPは@niftyというユーザーが、@niftyを解約してmopera Uに乗り換えるかもしれないということだ。
この点について、ドコモは「従来のISPと競合するとは考えていない」という姿勢。ただし、この先ドコモがM1000のような端末を立て続けにリリースすれば、mopera Uユーザーも増える。実際に説明員は「HSDPAなどのサービスもmopera Uに対応させていく」と話しており、4000万を超えるユーザーがmopera Uにシフトしてくるようなら、固定ISPのシェアに影響しないともいいきれない。
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