電子書籍サービスの開始当初、読めるのは昔の文芸作品など、権利の切れた作品がほとんどだった。徐々に“ちょっと前の本”も読めるようになり、今では単行本と電子書籍が同時発売の作品も登場している。
携帯で読めるコミックも、最初は少し前の作品がほとんどだったが、最近では比較的新しい作品も読めるようになってきた。
そうなると、週刊漫画誌の発売日に携帯で同じ漫画を読める日が来るのではないか──と期待が高まる。
小学館の中村滋常務取締役は、それに近い形での配信はあり得ると話す。「漫画家は原稿が遅い。また携帯向けには(携帯で閲覧しやすいような形に)加工して配信しており、その作業に時間がかかるので、同時は無理だと思う。ただ、週刊誌や月刊誌の中の1つの作品を、“おいしいとこ取り”して読んでいくことは、将来の話としてあり得るかもしれない」(中村氏)
漫画家の理解も深まりつつある
最近ではコミックの電子書籍化に理解を示す作家が増えてきたと中村氏。ただ一方では「(携帯のインタフェースに会わせた)加工をよしとしない作家もいらっしゃる」(中村氏)という。「(全般的には)OKを出す作家が増えており、加工技術も進んでいるので、電子コミックはかなり普及するのではないかと考えている」(同)
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