富士通は4月22日、WiMAX(IEEE802.16-2004)に対応したベースバンドLSIチップを開発したと発表した。基地局と端末の双方で同じチップを利用でき、この点で世界初をうたう。
同社によると、基地局側のWiMAXチップには大きなCPUパワーが必要で、これまで端末側と同じチップを使うのが難しかった。富士通では、「外部にハイパワーなRISCチップをつなげられるモードを用意」して対応した。
基地局と端末の双方に同じチップを使うことで、相互接続性を高めるという狙いがある。
チップを共同開発したカナダのWi-LAN社や、米Aperto Networks、中国のZTEなど、WiMAX関連機器開発メーカーには既にサンプルチップを提供済み。日本国内ではWiMAXが利用できる周波数帯が確定していないこともあり、「日本、韓国を除く全世界をターゲットとしていく」(富士通)。
同社は引き続き、ポータブル/モバイル的な利用が可能になる後継規格、IEEE802.16e対応チップへの対応も進めていく。
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