シンガポールで「携帯向け地デジ」を体験する:Nokia Connection 2005
「Nokia Connection 2005」の開幕に合わせて、携帯向けデジタル放送サービスが試験運用されている。現地で、端末のエリアカバレッジを確認してみた。
フィンランドのNokiaは、6月13日からシンガポールで開催している「Nokia Connection 2005」の開幕に合わせて、「Mobile TV」の実験サービスを行っている。DVB-H方式を採用した携帯向け地上デジタル放送サービスで、会場では「Nokia 7710」のきょう体にデジタル放送チューナーを内蔵し、実際に放送を受信してみせていた。
Nokiaが、シンガポールのMediaCorp、MobileOneと協力して試験サービスを実現した。6月13日から17日までの限定サービスで、6チャンネルが視聴可能になっている。「シンガポールでは既にバスやタクシー、各家庭でデジタル放送が視聴可能。今回の試験ではさらに、“いつでもどこでも”デジタルテレビが見られるようになる」(Nokia)
エリアカバレッジは?
端末を持っていて気になるのが、受信エリアはどれくらいかという点。これを実証すべく、Nokiaは報道陣をシンガポール市街や港湾に連れ出して、広いエリアカバレッジをアピールした。
実際にあちこちで受信してみるが、電波の入りは上々。日本のアナログ放送携帯のように「アンテナの向きを変えて映りを良くしようと試みる」手間はいらない。
視聴できる6チャンネルのうち、2チャンネルがライブ放送で、あとの4チャンネルは蓄積型コンテンツ。「ライブ放送は、実際の放送から10秒ほど遅れて表示される」(説明員)とのことだった。
画質面では、映像ビットレートが1チャンネルあたり230Kbps。帯域上の限界もあるため、驚くほどきれいというほどではない。印象としては“そこそこ見られる”といったところだ。なお、音声は別に40Kbpsが割り当てられており、こちらは終始クリアに聞こえストレスもなかった。
説明員によれば、今回のサービスでは映像コーデックにH.263を利用した。しかし本サービスでは画質面で優れるH.264を採用する予定だ。本サービス開始は「2006年の初めになるだろうか」とした。
関連記事
- 欧州でも「地デジ携帯」〜Siemensの端末をチェック
横置きでテレビを視聴でき、ボタン1つで携帯電話にも早変わり──。そんな欧州版「地デジ携帯」が展示されていた。機能面がどうなっているのかをブースでチェックした。 - 欧州でモバイルTVの規格戦争?
CeBITで披露されるモバイルTVサービスは、韓国メーカーの支持するDMBと、NokiaやNECが推すDVB-Hの2つの規格に分かれている。これら規格の対立が市場の分断をもたらす可能性も。 - DVB-H【でぃーぶいびー・えいち】
世界で異なるデジタル放送規格。携帯電話向けのデジタル放送規格もそれぞれ異なる。 - 312Kbpsで受信中――ボーダフォン、地デジ携帯のデモ
NHKの「技研公開 2005」で、ボーダフォンの地上デジタル放送対応端末が展示されている。パラメータ設定は、映像128Kbps、音声64Kbps、データ約60Kbps。 - P2P流通も――Nokiaの多彩な音楽配信手法
- Nokiaが考えるW-CDMA戦略
- Nokia、2005年中に40機種以上を投入へ
- Nokia、2メガカメラ&音楽対応の「6280」「6270」発表
- Nokia、マス狙いの「マルチメディア端末群」公開
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.