ドコモ、FOMAの「非接点充電器」を試作
NTTドコモはパナソニック モバイルと共同で、非接点充電器を試作した。端末の電池パックふた部分に薄型コイルを搭載しており、充電台に置くだけで充電可能。
NTTドコモは7月6日、パナソニック モバイルコミュニケーションズと共同で非接点充電器を試作したと発表した。平面型の充電台に、FOMAを置くだけで充電できる。
電磁誘導を利用して充電電力を送る方式。置き台側に送信用コイル、端末側に受信用コイルを配置することで非接点の給電を実現する。
非接点給電方式は電気ひげそりや電動歯ブラシなどで採用されているが、携帯に搭載するにはサイズ、重さの面で課題があった。今回、薄型二次側コイルを電池パックのふた部分に組み込む構成をとり、端末の大幅なハードウェア変更なしに導入が可能になった。
「ふたの部分と、若干の電気配線を変えるだけで対応できる」(ドコモ)。実用性もあり、P900i用の電池を充電した場合にかかる時間は約120分。従来の約90分に近い数値となっている。
送信方式 | 磁気結合型コイルによる電力送信 |
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サイズ | 置き台:151×70×11ミリ ふた:55×31×5ミリ |
電気入力 | ACアダプタ:5.4ボルト 675ミリアンペア |
電気出力 | ふた端部:5.5ボルト 400ミリアンペア |
薄型コイルの電力伝送効率は高く、変換効率60%と従来の30%を上回る。非接点のため防水を実現できるほか、省スペースで、どのような形状の端末にも利用できるという利点がある。将来的にはノートPCやPDAなどの充電器とも連携できるという。
とはいえ、現段階では試作機であり、コスト面は度外視している。「量産化できる価格にしなければならない。サイズ面の取り組みも、これで終わりではない。いつから商用化できるかはまったくの未定」(ドコモ広報)
なお、同充電器は7月13日から15日にかけて東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレスジャパン2005」会場で展示される予定だ。
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