新世代PDAも、カメラだけ見れば残念なでき――M1000:ケータイカメラ画質研究ラボ(2/4 ページ)
強力な通信機能やら、PCとの連携やらで注目を浴びる「M1000」だが、カメラ機能はどうか。チェックしてみると、使い勝手、画質ともに残念な部分もある。
シャッターを押すとシャッター音がして、画面が一瞬フリーズする。このためフリーズした画面が撮影画像かと思うのだが、実は違う。音がした次の瞬間の絵が撮影されるのだ。
だからシャッターを押して音が鳴って、画面が止まったからOKと思ってカメラを動かしてしまうと、思いっきりずれた絵が撮れてしまう。なんとも最近では珍しい。しかも撮影の瞬間、カメラがちゃんと止まっていないと撮影画像が歪んだりしてしまう。CMOSのトイカメラではよくみかける現象だが、M1000がトイカメラと一緒というのはちょっと哀しい。
シャッタータイムラグは0.5秒程度ありそうなので、撮るときは気をつける必要があるだろう。起動時間は2.5秒、撮影間隔は約6.5秒程度だった。
撮影機能は非常にシンプル。メニューには「カメラ設定/セルフタイマー/ナイトモード」の3つしかなく、カメラ設定も画像サイズ、画質、ホワイトバランス、ちらつき防止の4つしか設定項目がない。
撮影した画像は内蔵メモリか、TransFlashという規格の小型メモリカードに格納される。外部記録メディアではあるが、カード自体はバッテリの下にFOMAカードと並んで装着されていて、着脱は大変(7月1日の記事参照)。まあ、普段は着脱はしないで外部メモリとして使って下さいという感じだ。もっともこのメディアはあまりに小さいため、簡単に着脱できるようにするとすぐなくしそうな気もするが。
製品にはSDカードアダプターが付いており、TransFlashを差し込んでSDカードとして使えるので、PCとのデータのやりとりは可能だ。ただ気になったのは、TransFlashへのデータの格納方法である。
デジカメの世界ではDCFという規格があり、そこでフォルダ名やファイル名の付け方が定められている。カメラ付きケータイも外部メディアに写真を記録するときは、DCFに従ったフォルダ構成で記録するという慣習が定着している。だから、デジカメで撮った画像と同じように扱えるのだ。
しかしM1000は、DCFを未採用。独自のフォルダを作って画像を記録していってしまう。だから、撮った写真をPCに転送しても画像がどこにあるか分かりにくい。思わず探してしまったほどだ。そういう意味でもM1000は「デジカメとしての使い方をあまり考えていない」という印象を受ける。
やや釈然としない思いをしつつ、画質チェックに入る。
屋外編
実をいうと、M1000の写りはあまりに前時代的なCMOSセンサー画質だったので、作例も定番ものだけということで。まずは黄色い滑り台から。
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