多様化する携帯に“企画端末”への流れ:Mobile Weekly Top10
CEATECが開催された一週間。902iシリーズなどハイエンド端末の登場前夜だったとはいえ、企画型端末の盛り上がりに、今後の携帯の進化の行方を考えた。
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デジタル家電の祭典「CEATEC」が開催された、先週からの一週間を振り返ると、携帯に求められるポイントが昨年から大きく変わったことを痛感する。もちろん、ドコモの902iなど、各社のクリスマス商戦向けハイエンド機種が未発表のタイミングだから……という理由もあるのだが、発表された端末を見ると(CEATEC特集の記事参照)、機能や形状に関する好みが実に多様化してきたことが見て取れる。
ドコモのFOMA版企画端末は、いずれも8xxiの型番を持つ。パナソニック モバイル製なら「prosolidII」ことP851i、シャープ製なら「DOLCE」ことSH851i、三菱製なら「MUSIC PORTER X」ことD851i、富士通製なら「FOMA らくらくホン」ことF881iESといった具合だ。こうしたいわゆる企画端末が多数展示され、来場者の注目を集めていた。
従来であれば、企画端末は90xや70xシリーズのようなメインストリームのシリーズ端末よりも一段低く見られることが多かった。新機能の市場調査的に、言い方は悪いがイロモノ端末として出されることが多かったのだ。ドコモの過去を振り返れば、GPSしかり、タッチパネルやBluetoothしかりといったところか。
しかしユーザーニーズ自体が多様化してくる中、実は今後の主役は企画端末かもしれない──という感じさえもっている。
「なんでもかんでもハイエンド端末を買っておけば間違いない」。2005年までは、機能から携帯を選ぶときの指針はこのようなものだった。ドコモであればハイエンドの90xシリーズから選んでおけば、まず機能面でハズレはなかった。しかし今後“すべてを盛り込んだハイエンド”という言葉は死語になるかもしれない。
すべてを盛り込んだハイエンドの死?
例えば分かりやすいのはカメラだ。いわゆるハイエンド端末は400万画素クラスまでは普通に搭載されるだろう。しかし、500万画素オーバーについては、普及に疑問を持つ関係者は多い。「カメラ特化型端末なら500万オーバーもあり得るだろう」(端末企画担当者)
薄型化もそうだ。prosolidを思い出しても、薄い携帯へのニーズは高い。しかし機能を増やそうとすればするほど厚くなってしまうのは避けられない。同じ技術を使うなら、機能を減らしたほうが薄く軽く安くできるのは世の常だ。
若年層とシニア層では、外観から機能まで求めるものが異なるのは当然だ。これまで機能の多寡だけでシリーズを作って、一律で提供してきたほうがおかしいともいえる。
音楽特化型端末も同じだ。今でこそ、90xシリーズなどハイエンド端末は軒並み音楽再生機能を特徴としているが、MUSIC PORTER Xのように内蔵メモリが1Gバイトを超えてくると企画端末の独壇場となるだろう。登場がささやかれるHDD内蔵端末も同様だ。特定の用途に特化した端末であれば、コストのかかるデバイスを搭載できるからだ。
ドコモの企画端末群──8xxi系は、これまでの画一的なハイエンド主義に一石を投じる端末となるかもしれない。少なくとも、護送船団方式のシリーズ端末が中心だったドコモラインアップが、大きな広がりを見せたのは確かだ。
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