“機能のシャープ”が目指す新たな方向性は「快適さ」:シャープ開発陣に聞くSH902i(前編)(2/2 ページ)
316万画素カメラ、フルブラウザ対応と相変わらず高機能を詰め込んだ「SH902i」。しかし開発現場が志向したのは“アナログな快適さ”だった。
バッテリーに関して、開発陣は「シャープ製端末はバッテリーの持ちが悪い」という声が多いことを把握していた。木戸氏はバッテリーが取りざたされる理由として、「シャープユーザーは機能重視のヘビーユーザーが多いからではないか」と推測する。その意味では、快適性を追求するために付加した自動調光センサーも、従来の“機能重視路線”の延長線上にあると見ることもできる。「スペック表に出てこない部分で、効いてくる」
木戸氏はまた、SH902iは端末全体として「SH901iS」よりもコンパクトにまとめたと話す。「前モデルのSH901iSは、大きいし、150グラムと重い。機能重視の男性向け――と誰からも言われた。しかしSH902iでは厚みを25ミリから22ミリにするなど、幅、高さ、すべての面でシェイプアップしている」
全体で見てもスクエアなSH901iSとは異なり、角を落とした丸みのあるデザインにした。これにより、男性のみならず女性にも受け入れられそうなデザインを実現したとうたう。
端末を開いたメニューキー周りも、デザインを変更した。十字キーを見ると、ノートPCのタッチパッドのような外見になっている。「今回、フルブラウザを搭載したことからPCのような外見をイメージした」(同氏)。ただし、NEC端末のニューロポインタのように“タッチパッド操作”ができるかというと、そんなことはない。「ユーザビリティの調査を行い、携帯の操作は十字キーが一番使いやすいことは分かっている。ここは十字キーのままにした」
デザイン面のアクセントとしては、ディスプレイを内側にして閉じた際に背面に3つの小さな丸いLEDを配置した。この3つのLEDは、着信があった場合に光って知らせる機能を備えている。
具体的には、一番上のLEDは充電中に赤く点灯する。一番下はメール着信、もしくは通話の不在着信があった場合に緑に点滅する。真ん中のLEDは、実はダミーで「光ることはない」(木戸氏)という。
SH902iは“快適性”を志向した機能を備え、SH901iSと比較して全体に柔らかみがありコンパクトなフォルムを採用した。ただし、機能面での妥協はないと木戸氏は強調する。「『多機能』ということでは、これでもか、というぐらいの機能を搭載している」。そのあたりは、近日掲載予定の「シャープ開発陣に聞くSH902i(後編)」で紹介していきたい。
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